扱うトピックを限定したブログは数多くありますが、これはその中でも特にユニークなのでは。
Web上に存在する数々の「(Generator)何かを作り出してくれるサービス)」を集めたブログ。百式のニッチ版とでも言えるでしょうか。こんなに限定されたトピックでブログを続けられるとは、誉められるべきはブロガーなのか、それともWebサービスの可能性なのか?
先月行われたCybozu.nite 1.0で、Six Apartの関さんが「これまではアメリカで流行が先行し、それを日本に輸入するという例が多かったが、ブログに関して言えば、日本で独自な活用がされていることにアメリカのスタッフが驚くことが多い」という内容のお話をされていました(テープに録音していたわけではないので、小さな誤差はお許し下さい)。そのお話を思い出したニュース:
Movable Type開発は日本主導に 企業ニーズに対応(ITmedia)
ビジネスブログに関して言えば、日本はアメリカよりも進んでいるのですね。この流れを受けて、デジタルガレージがブログ導入コンサルティングに進出するとのこと。補完サービスが充実すれば、企業ブログの浸透度は更に上昇して行くことでしょう。
ただブログは、日本の企業文化とはかなり違った思想で生まれてきた技術だと考えています。ビジネスブログにせよ、イントラブログにせよ、サイトの構築と同時に組織構造・企業文化の変革にも取り組まなければ、導入の効果は薄れてしまうでしょう。その面で、僕らのような経営のコンサルタント達が活躍する場があると思います。
※10月2日追記
Rauru Blogの記事で、このニュースについてコメントがありました。それによると、今回の決定は米国におけるMovable Type/Type Padの人気の凋落が背景にある、とのこと。勝手ながら少し引用すると、
英語圏の Movable Type は既にインストールベースでのシェアNo.1の座を WordPress に明け渡している。ホスティングとしての TypePad も、この夏立ち上がった wordperss.comによって猛追され、収益の低下は避けられないと見られている。
という背景から、シェアを保っている日本市場に開発の軸足を移したのだろうという内容でした。確かに海外のブログを見ると、WordPressを使用しているものが目につきます。Global PR Blog Week 2.0 で提供されていた無料ブログもWordPressベースだったし。
Rauru Blogでは言葉の壁(WordPressについての日本語の情報が少ないのに対し、Movable Type/Type Padは手厚い日本語サポートを実施している)をMT/TPのシェア確保の理由として挙げていましたが、加えて「慣れ」も障壁になっているのでは?実はGlobal PR Blog Weekの無料ブログをサインアップして使ってみたのですが、勝手が違って戸惑うことがありました。MT/TPの操作に慣れた人々は、多少機能が優れていても、WordPressに移行する人は少ないのではないでしょうか。
なんてことを考えると、以前から気になっていた「ブログの乗り換え」ということについて深く悩んでしまいました。これについては別の記事で書こうと思います。
それにしても、勉強不足でWordPressがそんなに勢いを増しているとは知りませんでした。Global PR Blog Weekでサインアップしたブログ、改めて研究し直さないと。
投稿情報: 10:16 カテゴリー: ウェブログ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
AIBOの新型が発表されたというニュース。
今度のAIBOは話す!日記を書く!--新色「ハニーブラウン」も発売(CNet Japan)
注目すべき点が2つ。1つはAIBOが日記を書き、それをブログに掲載できるという機能で、もう1つはRSSで配信されるニュースやブログ記事をAIBOが読み上げてくれるという機能(ちなみにImpress Watchの記事によれば、RSS1.0と2.0、ATOMに対応しているとのこと)。いよいよロボットもWeb2.0に対応する時代になりましたか。
しかしロボットがブログを書くなんて、考えてみたら恐い時代だ。そのうち冷蔵庫もブログを書くようになって、今日の夕飯の献立を勝手に暴露されたりして(その時代にはきっとICタグが普及していて、冷蔵庫が自動的に食材を把握してたりするわけです)。その記事を家族が書いているブログに勝手にトラックバックしてたら更に恐い。
一方、RSSに対応したのは嬉しい驚きです。PCだけではなく、もっとRSSが他の機器にも普及すると良いのですが。それこそ電子レンジなんかがRSS対応して、レシピを自動的にダウンロードしてくるとか(似たような発想は既に実現されていると思いますが)。今後「あっ」と驚くような機械が、RSS対応するのかも。
テレビにWi-Fi、カレンダーに宇宙と、最近果てしなく進出するんじゃないか?という気がするGoogleですが。今度はclassified(案内広告・・・求人広告や不動産広告など、地域性の高い広告)市場にGoogleが参加するのではないかというニュース。
Google Classifieds? (ClickZ)
勉強不足で、Classifiedをアグリゲートするサービスが生まれているのを初めて知りました。確かにローカル広告って、小さなサイトに分散しています。これが一括で検索されるようになれば(ついでに検索結果をRSSで配信なんてことになれば)、広告主/ユーザーの両方にとって価値を生むことになります。(個人的な体験で恐縮ですが、ボストンに住み始めて間もない頃、車を探すのに苦労したことを覚えています。Oodleみたいなサイトがあれば便利だったのに。)
まさにGoogleが飛びつきそうな市場ですが、今まで憶測が流れていただけで、実際に参入して来なかったのはなぜなのでしょうか?通常の検索エンジンで事が足りると思っていたから?だとすると、特化型アグリゲーション/検索サービスは、Googleが参入してくる前にある程度シェアが取れる市場なのかもしれません。
例えば価格.comのチラシ広告版みたいなサービス。○○市○丁目のレベルまで細かくして、周囲にある全てのチラシ広告を集約・検索可能なサービスとか。「もう目を凝らしてチラシとにらめっこしなくても、牛乳が一番安いスーパーが分かる!」なんてイメージで。他には、小さな文具屋さんの売値データまで集約しているサイトとか。近所にある文具屋さんすべてのデータを一括サーチできれば、アスクルなんていらなくなるかも・・・。
実際には個人商店が売値データ/チラシデータをいちいち登録する、なんてことは考えづらいのですが。Googleという巨人に隠れたニッチな検索市場、探せばあるのかもしれません。
投稿情報: 20:21 カテゴリー: Google | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
ERPソフトウェアで有名なSAPが、Socialtextというベンチャー企業に出資したというニュース。
SAP buys into Socialtext (Marketing Technology)
このSocialtextという会社、Wikiやブログなどをベースとした、社内コラボレーションツールを開発している会社のようです。実際に目にしていないので何とも言えませんが、「社内SNS」とでも呼べるソフトでしょうか。プロダクト紹介のページを見ると:
Over 100 Customers and 20 Global 1000 companies use Socialtext for:
- agile project management
- collaborative intranets and extranets
- project communication
- instant distributed documentation
- team weblog communication
- design collaboration
- distributed intelligence gathering
- consultative team selling
- agile customer care
- meeting facilitation
- and much more...
とあるので、やはりWiki+Blog+SNSといった感じの、汎用性の高いツールのようですね。
SAPの真意は不明ですが、過去にも自社製品の強化を目的とした企業買収を行っていますし、将来的にはR/3とのコラボレーションの可能性もあるのではないでしょうか。そうなると、R/3導入関連ビジネスに寄生(失礼)特化しているITコンサル会社などを巻き込んで、R/3導入済み企業に対してこの「Socialtext Enterprise」を導入するビジネスが盛んになる・・・なんて日が来るかもしれません。
R/3導入コンサルタントとして社会人のキャリアを踏み出した過去を持つ僕としては、なんだか不思議な感覚ですね。SAPが社内SNSツールですか。過去の経験から考えると、今回のSAPの動き、ひょっとしたら社内ブログ/社内SNSという概念が普及する大きな一歩になるかもしれません。
※10月3日追記
CNet Japanに記事が掲載されていましたので、リンクしておきます。
SAP、Wikiソフトウェア開発企業ソーシャルテキストに出資(CNet Japan)
アメリカでのブログ/RSSの普及率について、Forrester Researchから最新の調査結果が発表されました。
Consumers tune into blogs (Market Watch)
Date released Tuesday by the firm reported 10% of consumers read blogs at least once a week, compared with 5% a year ago. Really Simple Syndication feeds (RSS) are used by 6%, compared to 2% in 2004.
Forresterのリサーチなので、世代別/利用頻度別などに細分化されたデータがあるのでしょうが、この結果だけでは 「普及率が上昇傾向にある」ぐらいしか言えないですね。
投稿情報: 15:43 カテゴリー: ウェブログ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
昨日は品川で開催された、「日立イントラブログ・コンベンション・2005秋」に参加してきました(諸事情があり、 急遽会場を後にしなければならなかったため、更新が遅れてしまいました)。イントラブログに焦点を絞っているということで、 楽しみにしていたイベントです。が、受付で渡された資料にこんなものがついているのを発見:
イナバさん、焦っていたのでしょうか?のっけから嫌な予感をさせてくれました・・・
結論から言うと、「イントラブログって何?」っていう初心者の方々に、日立製品をお薦めする場だったという印象です。いや、 それはそれでかまわないのですが・・・。僕としてはもう少し「イントラブログで何が変わるのか?」といった、 パラダイムの視点を望んでいたものですから、その点では残念でした。デジタルガレージのイベントにしても、サイボウズのイベントにしても、 「自社製品のPR」以上のテイクアウトがあったのですが。
それから、こちらのタイムシートを見ていただければ分かると思いますが、 各プレゼンターの発表時間が20~30分程度。これでは各社の製品・サービス紹介に終わってしまっても仕方ないかもしれません。個人的に、 オーシャンブリッジの高山さんや、ホットリンクの内山さんのお話をもっと聞きたかったのですが。やはりお二方とも、 自社の紹介だけで時間がいっぱいいっぱいになってしまい、「イントラブログ(またそれに派生するツール)で何が変わるのか?」 という観点はあまりお聞きすることができませんでした。
あまり文句ばかりだと何なので、いくつかテイクアウトを。
それにしても、プログラムの最後に行われた、大塚製薬さんからの事例紹介は残念。 なんでも発表前日にBOXERと契約したばかりだそうで、「社内の情報共有が進むと思ってBOXER導入を決めた訳ではありません!」 と言い切ってしまわれていました(RSSによる更新情報の効率的収集の方が魅力に感じたとのこと)。 せっかく日本のイントラブログ界を牽引する日立さんなのですから、もう少し「深い」イベントを主催していただけることを願います。
※9月30日追伸
BOXERとオーシャンブリッジについて、ITmediaに関連記事がありましたのでリンクを貼っておきます。ご参照下さい。
ブログとナレッジの統合、日立がiB拡張で企業利用を牽引(ITmedia)
投稿情報: 01:48 カテゴリー: イントラブログ | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
新たな学習型RSSリーダーが、Findoryから発表されました。
Findory Adds Self-Evolving Feed Reader (TechCrunch)
SearchFox RSS Readerと同様、ユーザーの傾向を読み取って、 配信された記事の重要度を自動設定してくれるようです。しかしフォルダー機能が無いそうで、 使い勝手の面ではクエスチョンマークが付くというところでしょうか。
RSSフィードを大量に登録しているパワーユーザーにとって、日々届けられる更新情報の中からどうやって有益な情報を得るかは、 大きな問題となります。こういった自動的に整理してくれるRSSリーダーを使うのも1つの手段でしょう。今後こうした「学習」 のアルゴリズムが、RSSリーダーの差別化要因になってくるのかもしれません。
投稿情報: 00:25 カテゴリー: RSS | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
実は夏休みを取らずじまいだったので、遅い夏休みを兼ねて、昨日・今日とお休みをいただいていました。 休暇中5日間分のメールをチェックしてたら、こんなニュースを発見。前のブログでお世話になっていたFeedBurnerが、いよいよ日本進出するとのこと。
GMOアフィリエイト、RSS広告配信事業に進出--FeedBurner.jpを年内にオープン(CNet Japan)
日本進出もあり得るかな、と薄々感じていたFeedBurnerですが、GMOと提携ですか。Technoratiの例もあるので、 どこまで日本版に機能が移植されるかが心配されるところですが、
FeedBurnerのシステムを使えば、 XML対応のサイトが更新情報をフィードする際に、フィードの効果測定や、テキストおよび画像の編集、広告の挿入といった加工が可能だ。 単一フィードでRSSやAtomなど複数の環境対応に対応し、 コンテンツ管理者はフィードの配信頻度や掲載位置などを自由に加工できる。 また、個別記事単位でのアフィリエイトの設定や、 分析レポートも入手できる。
一応これらの機能全てが日本版でも使えるようになるそうです。オープンが待ち遠しい。 日本ではいまいち立ち上がるのか立ち上がらないのか微妙なRSS広告市場ですが、 FeedBurnerの参入で普及に弾みがつくかもしれません。
そういえばこのブログ、FeedBurnerに登録するのを忘れていました。そろそろ設置しようかな。
参考: FeedBurner (TechCrunchによる解説)
パリに本部を置く言論保護団体「国境なき記者団(RWB)」が、言論の自由が保証されていない地域に住む反体制派に向けて、 ブログ開設の手引書を作成したというニュース。
国境なき記者団、反体制派のブロガーに向けた手引書を発表(CNet Japan)
ちなみにその手引書へのリンクはこちら:The Handbook for Bloggers and Cyber-Dissidents。この記事を読んでいるほとんどの人たちは、 言論の自由が保証されている地域に住んでいるでしょうから、必要のない本かもしれません。しかしこの手引書を読んでいると、 自由に情報発信できるということがどれだけ恵まれていることなのか、切々と感じることができます。
またブログをジャーナリズムとして確立するためにはどうしたら良いのか、アドバイスも掲載されています。 必ずしもブログ=ジャーナリズムではなく、主観的な意見を表明する場としての使い方もあると思いますが、 ブログを書いていればジャーナリズム的な記事を書くことが無いとは言えないでしょう。特にビジネスブログであれば、 客観的な情報を伝える場面は多々あるはずです。その際に読者からの信頼を得るにはどうすれば良いか、 その手がかりを与えてくれる手引書となっています。
いずれにせよ、ジャーナリズムとしてのブログを考える上で、良い指針になる本です。興味のある方は是非。
投稿情報: 02:35 カテゴリー: ウェブログ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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