言わずと知れたビデオ共有サイト、YouTube が Time 誌の"Best Invention 2006"に選ばれたとのこと:
■ YouTube is Time’s Invention of the Year (Mashable!)
Time 公式ページでの紹介はこちら:
Time は「今年はテクノロジーの分野で興味深い一年だった」とし、Wii や「バイクに乗るロボット」の例を挙げつつも、YouTube を"Best"に選んだ理由をこう説明しています:
But only YouTube created a new way for millions of people to entertain, educate, shock, rock and grok one another on a scale we've never seen before. That's why it's Time's Invention of the Year for 2006.
(他人を楽しませたり、教育したり、驚かせたりすることを、かつてない規模で可能にする新しい道を拓いたのは、YouTube だけだった。それが、YouTube が"Time's Invention of the Year for 2006"に選ばれた理由だ。)
確かにその通りなのですが、「発明/invention」という言葉で YouTube を呼ぶのはしっくりこないなぁと思っていたら、Mashable の記事でもこうコメントされていました:
- ビデオをWEB上で共有する技術は既に存在していて、事実2005年のはじめには様々なビデオ共有サイトが存在していた。
- ソーシャル系サービスのお手本としては、Friendster、MySpace、Digg などが存在していた。
- タグ付けに関しては、del.icio.us をお手本にしたことを創業者が認めている。
- そもそも YouTube を説明するとき、最初は"Flickr of Video"(ビデオ版フリッカー)という形容詞が使われていた。
- YouTube が成功した一因は、ビデオを他のサイトに embed する機能を付けたことにより、(その主な embed 先であった) MySpace やブログの人気を自らの力に変えることができた点にある。
ので、YouTube は「発明」というよりも、良いアイデアを誰よりも上手く運営したという方が近いと結論付けています。
だからと言って、もちろん YouTube の価値を否定するものではありません。そこに技術があるからと言って、誰もが人気を呼ぶ製品/サービスを作れるわけではありませんし、そもそも流行した発明というものは多かれ少なかれ「良いアイデアを誰よりも上手く運営した」という面が存在するでしょう。しかし画期的な技術を使っていない(ように見える) YouTube が人々の生活を変えるほどのインパクトを持つ「発明」として表彰されるに至ったことは、技術や発明というものの質が変わりつつある(大企業からベンチャーへ、実験室から一般家庭へ、といったイメージ)ことを象徴しているのかなぁと思います。
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