景気後退によって深刻化する、ホームレスの問題。しかしその性質上、なかなか人々に問題の存在を気づいてもらうことができないということで、バーチャル・リアリティを使ったこんな試みが行われているそうです:
■ Pathways to Housing: Virtual Homeless (Creativity Online)
"Pathways to Housing"(住宅への道)という団体が展開したキャンペーンについて。現実の世界にバーチャルなものを組み合わせるということで、一種のAR(拡張現実)とも捉えることができるかもしれません。上のリンク先にも同じビデオがありますが、説明よりもこちらを見ていただいた方が早いでしょう:
壁に投影される、等身大のホームレスの姿(寒さで震えています)。そこにメッセージが表示され、指示された通りに携帯電話からテキストメッセージを送ると、「バーチャル・ホームレス」に家が与えられる……という流れ。さらにその後、 Pathways to Housing への募金を求めるメッセージが携帯電話に送られ、その場で募金を行う(そして本当にホームレスに住宅を供給する)ことも可能という仕掛けになっています。なるほど、確かにこれならば問題の存在と、自分の行動がもたらす結果についてはっきりと認識することができるでしょう。
しかし、現実に存在するホームレスが「見えなく」なっていて、非現実のホームレスをもって始めて問題が「可視化」されるというこの皮肉。何というか、考えさせられるものがあります。
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