gooがマルチメディア検索に、独自の検索エンジンを採用するというニュース:
gooが画像、動画、音楽で独自検索エンジンを実装へ(CNET Japan)
gooラボで実験されていたMultiMedia Meister(マルチメディア・マイスター)というサービスを、12月21日から本格導入するとのこと。gooラボと言えば、昨日新たなブログ検索技術を公開したというニュースをお伝えしたばかり(関連記事:gooラボから新たなブログ検索の試みが)。Google Labsのようにユニークなサービスが次々リリースされており、最近特に注目したいと思っているサイトです。
今回のMMM(マルチメディア・マイスター)ですが、BlogRanger同様、まず技術ありきと言った感が否めないサービスであることは事実です。これが独立した企業のサービスで「Web 2.0」などと言い出していた日には、「そんなの事業として成り立つの?」と突っ込みを入れているところでしょう。しかしgooの場合はあくまでも「ラボ」。次世代の検索技術を実験しているのだという位置付けであれば、技術先行のサービスでもかまわないのではないかと思います。
特にMMMでは、いくつか面白いと思えるユーザーインターフェース(正確にはUIの範疇には入らないかもしれませんが)がありました。まず気に入ったのは、スクロール画像検索。キーワードにマッチした画像を、ちょうどエクスプローラーで「縮小表示」モードで見るようにずらっと(1000件まで)表示してくれます。それだけと言えばそれだけなのですが、使ってみるとけっこう便利。リロードする手間がいらないというのは、AJAXでも実感したことですが、それだけで意外にストレスがなくなるものです。
次に画像の類似検索。マルチメディア系の検索は、特にキーワードの設定が難しくなるものですが、そんな問題に対する1つの解決策となるでしょう。例えばロナウジーニョの画像を壁紙にしたいとして、バルサのユニフォームではなくブラジル代表ユニの姿で写っているものを探したいとしたら、こんな風に類似検索を活用することができます(クリックで拡大):
これはまずカナリヤのユニフォームを着ている写真を選択し、そこから類似検索機能を実行したものです。なぜかテニスや相撲の写真まで混ざっていますが、まあご愛嬌。精度の向上に期待しましょう。
最後に「取り置き」機能。これは文字通り、チェックしたい画像を「取り置き」画面にブックマークのように保存しておき、後からまとめてチェックすることができる機能です。検索結果を調べている時に「やっぱりさっきの記事/写真を使おう」と思い直し、ページの「進む/戻る」ボタンを押しまくる、という経験をした人は多いのではないでしょうか。取り置き機能があれば、「さっき気になった記事/写真をもう1回チェックしたい」という行動がしやすくなります。これも僕は便利に感じました。
これ以外にも様々な機能が実現されていますので、実際にMMMのサイトをチェックしてみて下さい。こうして見てみると、ちょっとしたインターフェースの改善だけでも、検索サービスはまだまだ便利になるという感じがします。インターフェースの重要性については、11月のCNETセミナーでDaniel Read氏も指摘していましたが(関連記事:CNET Japan「アスク ジーブスが語る「Web 2.0時代の検索サービス」--CJICイベント」)、バックエンド機能での革新と同時並行で行われるべきことだと思います。例えば動画検索で、検索した動画ファイルの中身4コマを表示するというアイデアも、「動画ファイルの途中を画像ファイル化する」という技術と「ダウンロードしてみなければ内容が分からないという不便を解消する」というユーザー視点の発想がなければ、実現しなかった機能でしょう。
ラボの中からどれだけの機能が一般化するかは分かりませんが、こういった実験はどんどん行っていって欲しいと思います。「似たような画像を検索する」の応用で「似たようなメロディの音楽を検索する」っていう機能はダメですかね?実現できたとしても、○○○というバンドはエアロスミスのパクリばかりだ、なんてことが分かってしまうのでメジャーレーベルが黙っていないかもしれませんが。
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