マス広告の時代から、消費者一人ひとりに広告をカスタマイズする時代へ -- などといまさら宣言する必要もないと思いますが、時代はここまで進んできました:
■ Billboards That Know You by Name (New York Times)
Mini USA が実施している実験広告"Motorby"について。記事の最上部に掲げられている画像をよくご覧下さい。看板の中に電光掲示板があると思いますが、そこに"HI KATE, NICE DAY"と表示されていますね。この部分、実は近づいてくる消費者ごとに内容が変わり、例えば弁護士のマリーには"Mary, moving at the speed of justice"、シェフのマイクには"Mike, the special of the day is speed"などといった具合になるのだとか。
この「あなたのことを知っている広告」、RFID によって実現されています。Mini USA はアメリカ合衆国内のミニ・オーナー4,500人に手紙を出し、この実験への参加を呼びかけたのだとか。正確な参加人数は分かっていませんが、「ミニを買う人は生活に『楽しみ』を求めている。私たちのマーケティングはそれに合わせたものでないと」という Mini USA 幹部の発言があるので、ある程度の反応はあったのかもしれません。
まるで映画『マイノリティ・リポート』のようですが、オーナーが同意した場合にしか実施できないという点では、いわゆる「広告」とは違った位置付けのものかもしれませんね。RFID を活用することによる話題作り、もしくは先の発言にある通り、生活に楽しみを求めるオーナー向けの「ちょっとしたイベント」的なものなのでしょう(オレは○○というブランドの所有者だぜ!という自己顕示欲を満たす効果もあるかも)。しかしオーナーに楽しんでもらえれば、そこからより多くのファンを獲得・維持することにつながりますから、期待効果は大きいのではないかと思います。
正直『マイノリティ・リポート』で示されたような、街を歩くだけでパーソナライズド広告がわんさか寄ってくるという世界は実現して欲しくありませんが、こんな遊び的な広告なら参加してもいいかも。まぁ残念ながら、ミニのオーナーになる予定は今のところないわけですが……。
< 追記 >
ADHUNT でも記事が出ていました。こちらのタイトルはずばり"Minority Report"ですね。
■ Miniority Report (ADHUNT)
ちなみにオーナーへの招待状の文面は、こんな内容だったそうです:
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