なんか Second Life で就職面接を行う企業が出始めているそうです。例えば今年3月の時点でこんな記事が:
■ バーチャル企画会社「メルティングドッツ」、セカンドライフにて正社員の採用を開始! (Slash Games)
確かにアイデアとしてはそう奇抜でもないし(かと言って僕自身は思いつきませんでしたが)、既に Second Life に進出している企業には追加投資も必要ないから、「バーチャル面接って面白くない?」と考える企業が出てきてもおかしくないのでしょう。しかし「セカンドライフ面接」をセットアップすることをビジネスにする企業が出始めている、というと話が少し変わってきます:
■ A Job Interview You (WSJ.com)
セカンドライフ面接を取材した記事なのですが、それによるとリクルート関係のサービスを展開している TMP Worldwide Advertising & Communications という会社が、企業が Second Life 内で就職面接を行う際の支援サービスをスタートさせたのだとか。既にHP、マイクロソフト、米通信業者のベライゾンなどといった大手企業と契約しているとのことで、今年8月にはバーチャル・ジョブフェアも企画中だそうです。
しかし、なんでわざわざ Second Life で面接する必要があるのか…… Slash Games の記事のように、Second Life に関連する事業を行っている会社なら納得もいきますが、普通の企業でバーチャル面接したいならIM程度でも事足りるような気がします。そこはやはり「話題性」という面が強いようで、WSJの記事でも「Second Life に集うような先進的な人々に対して大きなクチコミ効果を発揮できる」という利点が指摘されています。大企業にとっては、「あの会社が Second Life で面接!?」という革新的イメージにつながる効果もあるようで。
ところが当然のことながら、バーチャル面接はリアル面接とは勝手が異なります。WSJの記事で指摘されていたのはこんな点:
- ボディランゲージや顔・目の表情を見て話すということができない。
- 遠く離れた場所から参加する場合、時差のせいで面接開始時間を間違えてしまうことがある。
- アバターの操作が分からなくなる/間違えてしまうことがある。
3点目の「アバターが上手に操作できない」という問題は様々な事例が紹介されていて、「応募者が突然空を飛び出した」「面接官にビールを差し出してしまった」「面接官が突然寝てしまった」などなどおかしなことが起きているようです。笑い話として済まされる場合もあるようですが、他の問題点も含めて、応募者・面接官共に「バーチャル面接のノウハウ」を習得する必要があるのでしょう。
そこで登場するのが、前述のTMPという会社。彼らはセカンドライフ面接応募者向けに、オンライン・トレーニングを実施しているそうです(恐らく面接官向けにも同様のトレーニングがあるのでしょう)。あまり勘ぐるのもよくありませんが、TMPとしてはバーチャル面接が流行れば流行るほど「企業向けセットアップサービス」「応募者向けトレーニングサービス」「面接官向けトレーニングサービス」で儲けられて笑いが止まらない……という状況なのではないでしょうか?
実施、ある方はトレーニングに6時間かけてようやく操作できるようになったのですが、それでもスーツに着替えられなかったのでジーンズ姿で面接に行き、椅子に座れなかったので「椅子の上」に座ったそうです。そういった人々に「上級トレーニングコースは$500」などを売りつけることができるでしょう。いまだって就職活動に関する様々なコンサルテーション・サービスがあるのですから、今後「セカンドライフ面接」に特化した支援サービス(時流に乗った金儲け?)が登場してくるのかな、と思います。
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