どっかの自動車メーカーのCMみたいですが(最近はこのフレーズ使ってないのかな?)、週末なので軽いネタで。マイクロソフトがタッチスクリーンでのインターフェースを改善する、"Shift"という方式を発表しています:
■ shift homepage (Microsoft Research)
百聞は一見にしかず。YouTube にアップされているビデオを観て下さい:
携帯電話やPDAのような、小さな端末でタッチスクリーンを導入すると、人間の指では大きすぎてしまいます。しかしペンで操作するというのも面倒くさい。そこで……という内容。
まず紹介されているのは、"Offset Cursor"というテクニック。これは指で指定した部分のすぐ上に、小さな十字型のカーソルを表示させ、実際の選択は(指で押した部分ではなく)カーソルで指定した部分で行うというもの。タッチスクリーンをタッチパッドのように使い、カーソルを動かすイメージと言えるでしょうか。これだけでも使いやすそうですが、問題は画面最下部の選択ができないこと。そこで登場するのが"Shift"というわけです。
"Shift"では、指が触れた範囲に同じ大きさの選択可能部分(ボタンやハイパーリンクなど)がある場合には、その部分が選択されたと認識します。しかし触れている範囲より小さな選択可能部分がある場合、「スタブ」と名付けられた丸い別ウィンドウが開き、そこに拡大画面が表示されます。あとは指を触れたままで、指の重心を移動すると、スタブの中に表示されているカーソルが移動する ->適当な部分に来た時に指を離すと、その部分が選択されたと認識する、という仕組み。なるほど、これなら小さな画面に小さなボタンが表示されても、ペンは必要なさそうです。
先日『iPhone 衝撃のビジネスモデル 』という本を読んだことを書きましたが、そこでは iPhone のタッチスクリーン・インターフェースが「携帯電話を進化させる画期的なもの」として捉えられています。それはタッチスクリーンであるが故に、様々なインターフェースを表示させることができるため、オンライン銀行にアクセスした場合にはATMのような画面を、携帯電話として使う場合にはテンキーを表示させることができる->従って「フェデレート端末」(様々な装置・アプリケーション・サービスを操作可能な端末、それ1台であらゆるもののインターフェースとなるような端末)になり得るから、というのが理由でした。確かにタッチスクリーンは「スクリーン」ですから、様々なインターフェースを模倣できるわけですが、小さい画面では模倣できるデザインにも限界があるでしょう。従って"Shift"のような入力方法のイノベーションが重要になってくると思います。
"Shift"が使いやすいどうか、商用化される可能性があるかは実際に触れてみないと分かりませんが、そろそろこんな革新があっても良いですよね。ドコモも2.0を標榜するなら、これくらいしないと……。
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