普通、「やってはいけないブログマーケティング」というのは
密かにブロガーにお金を払い、記事を書いてもらう
という行動です。お金を渡したことを公表すれば許されるかどうかは意見が分かれるところですが、「それを秘密にしていることは許されない」というのがネット上でのほぼ一致した意見でしょう。またいくら隠していても、何らかの形で「やらせ」がバレてしまうというのがこれまでのパターンです。しかし、
密かにブロガーにお金を払い、特定のネタを書かせない
という行為は許されるのでしょうか。許されないとして、どの程度バレずに進められてしまうものなのでしょうか。
実はこんな記事が投稿されています:
■ We're launching a blogger amnesty program (The Secret Diary of Steve Jobs)
背景となっているのはこちらの事件:
■ Appleファンサイト「Think Secret」が閉鎖、「情報源の秘匿」を守り和解 (マイコミジャーナル)
Apple がファンサイトを告訴して、閉鎖に「追い込んだ」という事件です。この事件そのものについて、どちらが正しい・悪いという判断はとりあえず脇において、"The Secret Diary of Steve Jobs"が何を呼びかけているのかというと:
In the wake of our devastating loss to Nick dePlume of Think Secret (photo) we are considering rolling out an amnesty program to other Apple bloggers in which they would accept a cash payment in return for a promise never to write another word about Apple for as long as they live.
Think Secret の Nick dePlume 退任という計り知れない損失に対して、我々は他のアップル・ブロガーに対するアムネスティ・プログラムの開始を計画している。これは、「生涯二度とアップルに関する話題を書かない」と約束する代わりに、お金を受け取ることができるというものだ。
という計画です。具体的な内容ではないし、単に「アップル憎し」で書かれた文章に近いのですが、重大な問題を提起しているように思います。果たして「お金を払うから奴らのことを書くな!」という行為が許されるのでしょうか?
個人的には、こうした行為も禁じられるべきだと思います。確かに「口封じしたって誰かが書くだろ」ということは考えられますが、一部の有力なブロガーは、既にネット上の話題を左右する力を持っています。「何かを書く」という行為と比べれば影響は微々たるものであっても、倫理上許されないのではないでしょうか。また「何かを書く」に比べて発覚しにくいですし(「なんであの話題書かないの?」と聞かれたら「いやぁ、他に書くことがあったし」と言えば済むでしょう)、それだけに「やるべきではない」という世論を定着させてブロガーの良心に訴えるしか有効な規制策がないように思います。
とはいえ、PayPerPost 型のサービスも衰える兆しがないですし。こういった手法も密かに定着していくのかもしれませんね。
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