ブログで多くの人々が紹介したモノは、人気が出て売り上げも上がる――そんなよく言われる話を、音楽について調査した結果が出たそうです:
■ Blog, Social Network buzz correlates to better album sales (ars technica)
ちなみに元となった論文はこちら:
■ Does Chatter Matter? The Impact of User-Generated Content on Music Sales (New York University Faculty Digital Archive)
ニューヨーク大学の教授らによる調査について。調査対象は108枚の音楽アルバムで、8週間にわたり、Amazon での売り上げデータと外部の反応(通常の紹介記事、ブログのエントリ、MySpace 上でのアーティストの友達数)を確認したそうです。その結果、アルバムのリリース前に「正当な(普通の人々が書いたもので、マーケターが作ったものではない)ブログエントリ」が40個以上あると、そのアルバムの売り上げは平均の3倍となる傾向が見られたとのこと。またエントリ数が250を超えると、売り上げは平均の6倍となったのだとか。ちなみに MySpace 上での友達数についても、アルバム売り上げとの間に相関関係が見られたそうです。
まぁ因果関係ではなく相関関係なので、「良いアルバムだからこそ売り上げも上がり、ブログでの書き込みも多かったのだろう」という逆の説明もできるのですが(ただし「リリース前の投稿数」をカウントしている点は注目に値すると思います)。研究者自身も「(ブログが売り上げを伸ばしたのか、それとも良いアルバムだから書き込みも多かったに過ぎないのか)この研究結果だけで結論を出すことはできない」と述べています。また従来のようなメディアによる報道も、売り上げを左右する要因として力を持っていたとのこと。従って「ブロガーにCDを配るだけで、安いコストでプロモーションができる!」などという発想をするのは早計のようです。
ただ相関関係があるということは、あるアルバムのリリース前にどこまで投稿があるかで、ある程度売り上げ予測ができてしまうということかもしれませんね。研究が進めば、事前に一部の人々に楽曲を無料提供し、書かれたブログのエントリ数でアルバムを作る/作らないを判断するということも起きてくるのかもしれません。
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