Google が今月"search-within-search"(検索の中の検索)という機能を導入したのですが、それを巡って議論が起きているそうです:
■ A New Tool From Google Alarms Sites (New York Times)
まず"search-within-search"って何?という話ですが、www.google.com で"BestBuy"(米国の家電販売大手)を検索してみれば分かります:
ご覧の通り、検索結果画面にもう1つ検索ボックスが表示され、bestbuy.com の中を別のキーワードで検索することができるようになっています(これを使って新たに検索すると、自動的に「site:bestbuy.com」のキーワードが挿入された結果になる)。こうした画面になるのは、BestBuy の他に Wal-Mart、Washington Post、Wikipedia などいくつかの大手サイトで、Google 側の言い分は「こうしたサイトはトップページに到達することが目的ではなく、そこからさらに何かを調べるはずだから、ユーザーの利便性を高めるはずだ」とのこと。
で、これがなぜ問題なのかというと。試しにラップトップを探していたとして、ここで"Laptops"をキーワードに検索してみましょう:
ご覧の通り、広告が表示されてしまい、ライバル会社のサイトに流れていってしまう可能性がある――もしユーザーが素直に BestBuy のサイトに行ってそこで検索してくれたら、こんな問題は起きないはずですよね。ということで、"search-within-search"の対象となったサイトからは「顧客を盗まれた」との訴えが上がっているとのこと。また Google に検索機能を委ねてしまうということは、「このキーワードが入力された場合にはこういう順序・こういうレイアウトで結果を表示したい」という主導権を Google に握られてしまうということですから、不快に感じる企業が出てきそうです。
実際、Amazon.com も"search-within-search"の対象となっていたのですが、Google に要請して対象外にさせたそうです。ただ Google が言う通り、あるサイトを探してそこからさらに情報を探すという場合も多い(そして「site:」の使い方を知らない人も多い)ですから、この機能が便利であることは事実ですよね。単に Google のエゴなのか、消費者を無視した企業のワガママなのか、どちらなのでしょうか?
個人的には、あくまでも Google という独立した企業が行うサービスなので、他の企業が云々言う権利はないと思います。しかし Google は力を持ちすぎた故に、これまでも検索エンジンのチューニングによって他企業の命運を握ってしまうということが起きていたわけで、"search-within-search"を自由に許してしまえば新たな混乱を招くこと必至でしょう。Amazon.com の場合と同様、要請があった場合にはこの機能をオフにするという対応を積極的に行っていくべきだと思うのですが……。
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