これまたネタなのですが、やっぱり米国って、というよりフロリダって別世界なんだな……という話です(NIP/TUCK を思い出してしまいました):
■ Mommy 2.0 (Newsweek)
「お母さん2.0」というタイトルからギークな母親たちのことを想像していたら、中身はまったく違いました。"My Beautiful Mummy"(私のキレイなお母さん)という絵本についての話なのですが、この絵本、実は子供に美容整形のことを理解させるために作られたもの。著者はフロリダ州 Bal Harbour に住む形成外科医、Michael A. Salzhauer さんだそうです:
表紙はいたって普通(多少ディズニー風?)なのですが……。鼻と腹部の整形に出かけたお母さんを、主人公の女の子の視点から描くというストーリー。もちろんハッピーエンドで、前よりもキレイになったお母さんに女の子は嬉しくなる、という筋書きです(もっと詳しい話を、という方は Washingtonpost.com の記事でスライドショーを見ることが可能)。「病院に行く」「手術する」などと言うと普通なら子供は怖がってしまうわけですが、美容整形はそうじゃないんだよ――ということを教えてくれます(ちなみに対象年齢は4歳から7歳ぐらい)。
確かに自分が小さな子供で、母親がいきなり病院に行ってしまったら(そして顔が変わって帰ってきたら!)不安になりますよね。Salzhauer さんは子供連れで来院した患者さんの姿(そして子供たちの様子)を見て、この絵本を思いついたそうです。で、当然のように賛否両論、様々な反応が起きているとのこと。
個人的には、絵本ということで一瞬驚いたのですが、確かに子供たちにとっては良いのかなぁと思います。絵本仕立てなら子供たちにとっても分かりやすいし、「こんな本バカげている」で片付けてしまっては、彼らの不安な気持ちに応えるものがなくなってしまうでしょう。ただ、こんな本を必要とする子供たちがたくさんいる(市場がなければ Salzhauer さんがこの本を出版しようとは思わなかったはず)とすると、少し複雑な気分になります。まぁ、美しい外見を求める側(=男性)にも責任があるわけですが。
またこの本を読んだ子供たちが、「美容整形って良いことなんだ」と何の違和感も感じなくなってしまうことが心配です。彼らの気持ちを一時的にしのぐことを目的にしていたら、大人になって身体をいじることに何の抵抗も感じなくなってしまった……という結果にならなければ良いのですが(まさか美容産業を成長させるのが目的!?なんて穿った見方をしたりして)。
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