米国陸軍の調査で興味深い結果が。過去に犯罪を犯していたり、交通違反や麻薬所持で捕まったことがあるなど問題を持つ人物の方が、軍の中でより早く昇進する傾向があったそうです:
■ Misbehaving Army Recruits Promoted Faster (nbc5i.com)
米国陸軍が昨年行った調査について。それによると、こうした問題のある人物は除隊したり、軍法会議にかけられる傾向も強かったものの、より早く昇進する・勇敢な行動によって勲章を得る・軍にとどまる期間が長い・一度除隊しても軍に復帰するなどといった傾向が見られたそうです。
まぁ穿った見方をすれば「普通の社会では受け入れられず、軍で認められるしかなかった/除隊しても軍に戻るしかなかったんだろう」と言えるでしょう。しかし逆に言えば、それだけ「自分を受け入れてくれる社会」に対しては貢献しようという気持ちが強くなるのだ、と捉えられるかもしれません。また陸軍の William Wallace 大将という方は、こんなことを指摘しています:
Instead, he said, when the Army brings in a young person who made a mistake and got past it, most likely "they will be a better person for having made that mistake and learned from it, than perhaps somebody who didn't make the mistake and didn't have the opportunity to learn."
Wallace speaks from experience.
一方、過去に間違いを犯してそれを乗り越えた若者を陸軍が採用した場合、「彼らは自らが犯した過ちから学ぶことで、何の間違いも犯したことのない人物よりも、より良い人物になる可能性がある」と彼は述べた。
Wallace 氏の話は経験に基づくもの、とのことである。
うーん、こっちはちょっと取って付けたような話かな。犯罪歴の無い人物が、過去に一度も挫折したことがなかったとは考えられないし。それよりも「一度失敗しているから、ここで結果を残さなきゃ」という心境になった、つまり前述の「受け入れてくれた社会への恩返し」的な話に近いかもしれません。
この結果だけで、いきなり「ビジネスでも犯罪歴のある人物を雇おう!」という極端な話には(当然)ならないと思います。しかし「過去に仕事上で失敗していたり、周囲の人々とうまくいかなかった人物でも、別の機会を与えられれば平均より良いパフォーマンスを発揮する可能性がある」と解釈できるかもしれません。ところ変われば、ではないですが、過去のパターンが新しい環境で繰り返されるとは必ずしも言えないということですね。
コメント