日本でも似たような事例があったのですが、Twitter が個人攻撃の場になる、というケースが出てきているようです:
■ Popular blogger ignites uproar over Twitter harassment (Webware)
Ariel Waldman という著名なブロガーさん(Engadget にも寄稿されることがあるとのこと)が Twitter 上で嫌がらせを受け、対応を Twitter 運営サイドに求めたところ……という話。嫌がらせコメントの一部は「匿名投稿」を可能にするサービスからなされたものであったりと、「アカウント即時停止」などの対応が難しい側面があり、問題発言を完全に排除するということには至っていないようです。
Ariel さんは Twitter 側の対応に不満があるとして、主張をご自身のブログでまとめられています:
■ Twitter refuses to uphold Terms of Service (Ariel Waldman)
ちなみに Ariel さんは現在 Pownce の仕事も行っているのですが、嫌がらせはそれ以前から始まっているので無関係のはず、とのこと。ネット上の有名人ということもあり、目立っていたが故に攻撃対象になってしまったのかもしれません("Creating Passionate Users"の閉鎖を彷彿とさせます)。
で、Twitter 側はどう考えているのかという点ですが:
The final response to Waldman's complaint from Twitter co-founder Biz Stone asserted that "Twitter is a communication utility, not a mediator of content," and that "Twitter recognizes that it is not skilled at judging content disputes between individuals. Determining the line between update and insult is not something that Twitter, nor a crowd, would do well." Stone added that Twitter's team would continue talking about which situations were appropriate for account banning.
Waldman の抗議に対する直近の回答の中で、Twitter の共同創業者である Biz Stone は次のように述べている。「Twitter はコミュニケーションの道具であり、コンテンツの調整者ではない。ユーザー間で生じた争いについて、判断を下すスキルが不足しているとも認識している。通常の更新と攻撃との線引きを行うことは、Twitter 自身にも、そして一般の人々にも上手にできることではない。」また Stone は、アカウント停止の条件としてどんなものが適切か検討中である、とも述べている。
とのこと。ただアカウント停止/コメント削除の条件を明確にしたとしても、それを監視や判断する術がなければ実効性がありません。例えば「モバゲー」などが実施しているような、専用の要員を雇って24時間監視する、などということを始める覚悟があるのでしょうか。
「ユーザーが問題発言を行ったらどう対処するか」「ユーザー間の争いにはどの程度介入するのが適切か」といった問題にはあらゆるコミュニティ系サービスが直面するものですから、ついに Twitter にも来るべき時が来た、ということなのかもしれません。しかし対処の仕方を間違えれば、サービスが不安定であるという問題(ちなみに現時点でも Twitter へのアクセスが出来なくなっています)と同じぐらい、Twitter の人気を失墜させる恐れがあるのではないでしょうか。
それこそ日本では、Twitter がイジメの舞台となって某首相が「なんだか最近おかしなサービスが流行ってますねー。ああいうのは禁止すればいいと思いますね」などと言い出す事態になる可能性もあるのでは。できればこれを Twitter 運営側だけの問題とせず、Twitter ユーザー全体が「問題を起こすユーザーは許さない!」的な態度を示すようになっていって欲しいと思います。
< 5月29日追記 >
上記の Webware の翻訳記事がCNETに掲載されていたので、リンクを貼っておきます:
■ Twitterとユーザー保護--あるブロガーへの嫌がらせをめぐる議論 (CNET Japan)
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