日々進化を続ける携帯電話。特に日本の携帯電話は「ガラパゴス」と揶揄されるほど特殊な進化を遂げていることはご存知の通りですが、海外メーカーも負けてはいません。なんと、GPSや翻訳といった機能だけでなく、シェーバーやコーヒーメーカーにもなる携帯電話が登場したそうです:
"Pomegranate"とはザクロのことで、その名の通りザクロがイメージになっています。ご覧のようになかなか斬新なデザインで、3枚のパネルが扇のようにスライドするようになっています。
様々な機能が盛り込まれているのですが、やはり特筆すべきはコレでしょう。別売りのカートリッジ(4種類)を一番裏側のパネルにセットして、熱湯の上に Pomegranate をセットすると……
端末の下部からストローのような吸入口が出て、お湯を吸い上げた後、コーヒーを抽出してくれます。熱湯は自分で用意しなければなりませんが、コーヒーメーカーまで携帯できてしまうという、まさに夢の携帯電話ですね!!
……などというバカげた話が本当のはずもなく、Pomegranate などという携帯電話は実際には存在しません。実はこのサイト、カナダ東海岸のノバスコシア州が立ち上げた、企業誘致のためのキャンペーンなのだそうです:
■ 夢の「万能携帯電話」で驚きの企業誘致作戦、カナダ (AFPBB News)
なぜこんなネタを仕掛けたのか。もちろん目立つため、なのですが
キャンペーン広報担当のFiona Gibb氏は、「情報があふれかえる中で、実業家や政府関係者に注目されるためには、まず目立たなくては。彼らに共通するのは、iPhoneやブラックベリー(Blackberry)など、最先端のテクノロジーに興味があるということです」と説明した。
とのことで、単に目立つのではなく、「本当に来て欲しい人々にアピールする=彼らが興味を持つ分野でネタを仕掛ける」という発想だったようですね。ネタにもかかわらず非常に作り込まれたサイトだった為か?これまで21万件のヒットがあり、このネタサイトからリンクしている企業誘致サイト(=ノバスコシア州が本当に知らしめたい情報が掲載されているサイト)には数万人の訪問者が流入したそうです。
単なる宣伝サイト、と言ってしまえばそれまでですが、このサイトは「ノバスコシア州は先端技術の誘致に興味を持っていて、(こんなジョークを許してしまうぐらい)柔軟な人々によって行政が行われている場所だ」ということを上手くアピールしているのではないでしょうか。カネはあっても頭がカタい人々によって運営されているような場所には、どんな企業も進出しようとはしないでしょう。その意味で、このサイトは無形の価値をアピールすることに成功しているのかもしれません。
とはいえ、このアプローチがどこまで効果的だったのかは、今後どの程度の企業を誘致できたかによって決まるわけですが。カナダのノバスコシア州という名前、覚えておくと良いかもしれません。
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