今日は少しいつもと違う件について書くことをお許し下さい。例のマドリッドで足止めをくらっていた時に、武蔵野美術大学との問題が持ち上がっていることを何度かツイートしていましたが、その件について全体像をお話しさせていただきたいと思います。
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今回トラブルに巻き込まれているのは、僕の妻です。彼女は武蔵野美術大学の通信課程で勉強中で、現在3年生。話は3年前、彼女が通信教育を始めた頃に遡ります。
* 個別入学相談会での大学側の説明 *
3年前、大学が主催した個別入学相談会でのこと。これは入学を検討中の学生と、大学の関係者がマンツーマンで質疑応答できるというもので、僕の妻の担当になったのは武蔵野美術大学の某教授でした(まだ在籍中の教授のため、仮にA教授としておきます)。
僕の妻は理容学校(専門学校)を卒業しているのですが、問題となったのは、その専門学校からの「編入」という扱いで武蔵野美術大学での勉強を始められるか否かという点。編入が認められれば、卒業に必要な単位数の中から30単位分が免除されます。しかしA教授の回答は「その学歴では編入は無理」というもの。そこで僕の妻は、編入に必要な申請は一切行わず、まったくのゼロ単位という状態から勉強をスタートさせました。
* 誤りの発覚と、大学への要望書の提出 *
それから3年が経ったある日のこと。妻の専門学校時代の友人が、同じく武蔵野美術大学通信課程への入学を考えているということになり、改めて入学の要項を確認してみたところ。「妻が卒業した理容学校でも、編入に必要な資格を満たしているのではないか?」という疑問が持ち上がりました。そこでよくよく確認してみると、やはり30単位が認められても良かったのだという結論に至りました。
まずは大学側に電話で相談します。しかし回答は「こういう問題は要望書という形で、紙にして提出して欲しい」というもの。そこで妻は以下のような文章を作成して提出しました(※以下に引用したものは要望書の一部になります。またこの際、要望書と併せて専門学校の卒業証明書と、編入に必要な「専門士」の資格を有していることを証明する書類を提出しています)
武蔵野美術大学通信課程へ入学するに当たり、私は新宿において開催された入学相談会に参加いたしました。相談会では、造形学部通信教育課程専任教員でいらっしゃるA教授に、個別相談形式にて入学に関する様々なご指導をいただきました。その中で、A教授から、私の学歴に関する質問を受けました。私は、2年間通学した理容専門学校を卒業している旨を答えました。私の学歴を聞いた教授は、編入できるかどうか、もしかしたら編入できる可能性があるのではないだろうか?少し待って下さい。と、私に告げ席を立ちました。しかし、数分後に席へ戻られた教授の口から出たお答えは、理容専門学校では編入が無理である事。理容専門学校卒業の学歴は武蔵野美術大学通信課程で単位として活かす事は出来ないが、学ぼうという気持とタイミングが大切である事。編入以外でも頑張っている学生は多く居るから一緒に学びませんか?と、編入は無理だが入学を強く進める内容を私に熱く語ってくださいました。私は、その時に耳にしたA教授の言葉を心から信頼し、編入は無理だが入学する決心を固めました。
しかし、その時の説明には大きな誤りが含まれていました。2年間通学した理容専門学校を卒業した私は、専門士の称号が与えられており(別途資料添付)、編入の資格を持っていたのです。入学説明会において間違った説明を受け、認定されるはずの単位(30単位)を受ける事無く、4年生へと進もうとしています。入学説明会において、正しい説明をしてくだされば、履修登録科目などを含め、私の学生生活はあらゆる点において違っていた事でしょう。卒業する為、これまでに犠牲にした物はとても大きいのです。30単位があれは、学習にゆとりすら生まれていたと思います。それほど30単位は大きいのです。この学習計画の乱れは、取り返せる物では決してありません。
これが今年3月末のことでした。
* 大学側の回答と、スクーリング申し込みへの影響 *
大学からは「4月9日前後に回答する」との連絡があったのですが、けっきょく4月9日の出国には間に合わず、僕らはそのまま旅行に出かけることに。回答は郵送されるとのことでしたので、妻の分の郵便物だけ妻の実家に転送されるように設定し、向こうから手紙が確認できるようにしておきました。
また、ここでもう1つ問題になってきたのは、本年度の履修登録をどうするかという点。30単位が認められるか認められないかによって、履修の内容は大きく変わってきます。本来の予定であれば、履修登録の締め切りの前に帰国するはずでしたので、妻は仮の学習計画を登録した状態で旅行に出発しました。
そして大学側からの回答が。本当はもう少し早く内容を確認できたはずが、悪いときに悪いことは重なるもので、転送設定をしたはずが郵便局のミスで配送が遅れるという事態に(余談ですが、後で郵便局の局長が妻の実家に謝罪に訪れたとのこと)。また最大のトラブル、アイスランドでの火山噴火で帰国が1週間遅れるという事態になり、僕らが回答の内容を知ったのはスペインにいる間になってしまいました。
大学側の回答書の要旨をまとめると、以下のようになります:
- 入学相談会は、入学の導入的内容をお話する場だと大学は受け止めている。
- 出願者には、正式な案内資料を読んで出願していただいていると考えている。
- 本学の規定において、単位の追加は入学前においてのみ可能になる。従って、30単位の認定を認めることはできない。
というもの。つまり案内書類には編入に関する正しい情報が含まれていて、それを読まなかった方に責任がある、と。考えようによっては入学相談会の意味を完全否定している内容ですが、とにかく「A教授の誤った説明によって申請ができなかった」という部分には一切踏み込まず、「大学の規定なので曲げられない」という回答になったわけです。
この回答を知り、日本時間で4月20日から21日にかけ、大学側との話し合いを行いました(当然、国際電話で)。しかし電話に出たのは事務の職員で、「回答書の内容以上のことは言えない」「上の者を電話に出すことはできない」の一点張り。ついには20日の電話において、大学側から一方的に電話を切られ、もう1つ相談したかった「外国に足止めされているので、スクーリングの申し込みを待ってもらうことができないか」というお願いは聞いてもらえず終いに。
そこで21日、スクーリングの受付が終了していることを知りつつ、改めてスクーリング申し込みの延長を申し出たところ、大学側の回答は以下のようなものでした。
スクーリングの申し込みに関しては、火山灰の影響によって帰国できないから申し込みが遅れると言った理由であっても、それが自然災害であっても、期間内に申し込み手続きをすべて完了することが受講の条件なので、火山の噴火で帰国できないのが遅れの理由であっても、スクーリングの参加を認めることはできない。この事に関しては、大学への連絡が、スクーリングの申し込み期間内、期間外、そのどちらであっても関係は無く、スクーリングの申し込み期日以内に、所定の手続きをすべて完了させないと、スクーリング参加は認められない。
* 帰国、スクーリングについての対応の変化 *
スペインという遠く離れた場所から、国際電話で大学の事務と口論しなければならない。そんなストレスの溜まる環境から、4月25日にようやく帰ってくることができました。
そして、唯一事態が好転する出来事が起こります。僕がTwitterに書き込んだメッセージを読んで、ある方が大学側に「これは被災ではないのか」と指摘していただいたところ、大学内部で再び検討が行われることに。その結果、4月28日に再度大学側から連絡があり、前回の「理由が何であれ一切例外は認めない」という態度から一変、「自然災害と交通遅延は同じではないので、やはりスクーリングを認める」という回答となりました。
実はこの対応についても、様々な事実の訂正があり(例えば前回の説明では「認める認めない以前に、もうスクーリングの申し込みは一杯」だったのが、「やっぱり空きがあったので大丈夫です」と言われるなど)、大学側への不信感が逆に深まる結果となってしまったのですが……いずれにしても、30単位も認められない、スクーリングにも出れないという最悪の状況だけは回避するために、スクーリングの申し込みだけは行う方向です。
* 何を騒いでいるのか? *
以上が問題の概要になります。様々な突発的事態が絡んでいるので、うまく纏められた自信が無いのですが(僕自身まだ把握できていない点もありますので、誤りがあれば後で訂正します)、武蔵野美術大学に対して言いたいことの根本はこの一言に尽きます:
教授の説明で30単位を損したことについて、何らかの対応を行って欲しい。
確かに「言った」「言わない」の問題になることは理解しています。しかし今回の回答では、その部分にすら大学側は踏み込んでいません。仮に回答が、「このような誤りがあったかどうかについて、教授側に聞き取り調査を行った。しかしA教授はこの件を否定しているので、大学としては対応ができない」というものであれば、まだ納得ができたでしょう(その場合は恐らく、A教授への抗議という形に話が進んだと思います)。しかし「相談会での説明を信じて、書類を読まなかった方が悪い」とも受け取れる回答では、到底受け入れることはできません。
「30単位ぐらいでギャーギャーいうな」「その分いろんな勉強ができたじゃないか」という意見もあるでしょう。しかし通信生は、みな他に様々な生活を抱えながら勉強しています。仕事や家庭、そして子育て、自分の健康の問題などなど。30単位が認められていたら、一般教養科目の履修をパスすることができ、その分絵の勉強に専念できたことでしょう。「絵の勉強をしに来たけど、大変だから勉強しないでも30単位ちょーだい」というのではありません。
僕も3つの大学を卒業している人間なので、大学というのがどういう組織なのか、事務方と教授たちとの関係がどんなものなのか、甘い幻想を抱いているわけではありません。しかし学生は無力な存在であり、事務の方々が彼らではなく先生たちの方を向いて行動していては、必ずまた同じような問題が生まれることでしょう。仮に「過誤の認定が困難なので救済はできない」という結論が動かせないにしても、再発の防止に取り組むつもりがあるのかどうか、せめてその点だけでも明らかにしたいところです。いや、せめてそんな姿勢を見せてくれないと、大学を信じて勉強を続けてきた妻が哀れすぎます。
僕が言うのも何ですが、妻は美術の勉強に頑張って取り組んでいます。名前は伏せますが、努力が認められて、奨学制度にも認定されたほど。なので決して「勉強したくねーから単位よこせ!」という気持ちから行動しているのではない、という点だけはご理解いただければ幸いです。
*****
今回の件では、スペインに足止めされている頃から、多くの方々にご支援いただきました。まだ係争中であるため、きちんとご連絡ができず、大変申し訳ございません。この場を借りて、あらためて感謝の気持ちを記しておきたいと思います。ありがとうございます。
つい先日、同じ武蔵美の通信科への進学を検討するため、資料を取り寄せたところだったので、とても興味深く読ませて頂きました。
私はアメリカの4年制大学を卒業しており、文書での確認はするにしても、そういったややイレギュラーな場合の編入に関して、相談会で話を改めて大学側に聞きたいと考えていましが、このエントリーを読んで、考えを改める必要が出てきたように思います。
1例にのみ基づいて考えるのは短絡的ではありますが、単位の面でも、学費に関しても、学生のこと=自分のことを真摯に考えてサポートする姿勢のある学校でないと、社会人として限られた時間の中で学び直す場として選ぶのは躊躇してしまいますね。
その後の経過もブログに掲載して頂ければなあと思います。
奥さまにとって、大学側から納得のできる回答がでることを祈っております。
投稿情報: トミタ | 2010/05/03 21:16
ひどいことが起きていたんですね。存じ上げませんでした。
僕が某大学の事務局長をやっていたときは、編入に関して必ず教授会に諮られ、そこで決定され、もちろん議事録に残されました。
たしかに専門学校からの編入は難しいのが事実です。大学では1、2年生で教養がメインであり、専門性の高い専門学校から受け入れる場合、最大の30単位を免除しづらいのが実情です。
しかし、30単位は無理でも、15単位なら出来るとか、その辺りを諮るために教授会が存在しているのか、と。
大変だとは思いますが、ぜひ正しい答えを導きだせればと思います。
投稿情報: ooki | 2010/05/04 06:13
違和感がいくつか。
1.なぜその時期に旅行の予定を入れたのか。
論点の中心ではないのかもしれませんが、冠婚葬祭等とは違って時期に融通のきくはずの旅行。自然災害とは言え、一般に遅延のリスクはあるはずです。
大学側としても、自己都合の事例を認めると、今後偽装でないか等のチェックが大変になるでしょう。
「旅行でOKなのに、病気で申請できなかったのをNGにはできないでしょう」みたいなケースも出そうです。もちろん随時受け入れ可能にできるならその方がいいでしょうが、線引きも致し方ないところがあるようにも思います。
2.事情の曖昧さ
社会人は忙しいから大変という一方で、将来の確定していない学生の方が身分が不安定というのもあると思います。
大卒資格の必要性も、生活のために必要なのか、ただダンナに見合う学歴がほしいだけなのか、など状況次第で情状酌量の程度も変わりそうです。
3.ツイッターの使い方
ツイッターの著書がある方にして、今回のツイッターの使い方は残念に思います。藁をも掴むというよりは、これを使って目に物を見せてくれん、というような感じにみえます。
声(あるいはフォロワー数)の大きいものが勝つ、というツイッター社会になっていく流れは仕方ないとして、でもツイッターが不用意な使われ方で大学のようなエスタブリッシュに敵視されてしまうような状況を、少なくともオピニオンリーダーにある立場の人はするべきではないのではないでしょうか。
投稿情報: takata | 2010/05/05 20:29
皆さま、コメントありがとうございます。
> トミタさん
仰る通り、僕たちのケースは非常に特殊かもしれませんので、あくまでも実際にご体験なさる方を優先されて下さい。僕らもこれで大学や通信教育全体に不信感を持つということはなく、あくまでも今回は残念な結果になっているのだと考えています(実際、それまでは普通に勉強してきたわけですし)。ただこれも仰る通り、学生の方をどれだけ向いてマネジメントが行われているのか、というのは(難しいですが)出来る限り確認すべきポイントなのかな、と考えています。
その後の経緯も、出来る限り公開していきたいと思います。
> ooki さん
ooki さんが事務局長をされている大学だったら良かったのですが(笑)
仰る通り、専門学校からの編入は難しいのが実際だと思います。それもあり、教授からの説明を真に受けてしまったということもあるのですが、実際には妻の卒業した専門学校は編入の資格を満たしている学校で、仮に今から入学するというのであれば問題無く30単位が認められるという状況です。それが「入学時に申請しなかったから」の一点張りではねられるというのは……という心境ですね。
> takata さん
ご質問いただいた点について回答させていただきます。
(1) 旅行の件ですが、この件が発覚したのは3月末で、既に4月9日から始まる旅行の予約(航空券やホテルなど)を全て済ませた後でした。一時は旅行のキャンセルも考えたのですが、4人分の旅行なのでキャンセル料もバカにならず、そのまま旅行に出てしまったというのが実情です(もちろん1週間も帰国が遅れるとは考えておらず、予定通りであれば履修の件も含めて十分対応可能な日程でした)。お金をケチった方が悪い、と言われてしまえばそれまでですが、ご理解いただければと思います。
(2) 妻は純粋に「絵の勉強をしたい」という気持ちで通信課程を始めましたが、それではダメなのでしょうか。また「なぜ通信課程で学んでいるか」という目的が、「情状酌量」に影響するという理由がよく分かりません。
(3) 「これを使って目に物を見せてくれん、というような感じに」見えたとしたら申し訳ありません。確かにこれが日本にいるときであれば、電話や直接大学に出向くなどの方法で大学側と交渉していたことでしょう。しかし頼れるのが国際電話だけ、しかも相手は都合が悪くなると一方的に電話を切るという状況では、あらゆる手段を使って情報を集めるということが必要でした。決してフォロワーの力で大学を押し切ろうという意図などはない(そもそも僕のフォロワー数は5,000人程度ですので、大学という巨大な組織の前では何の意味もなしません)ということをご理解いただければと思います。
投稿情報: アキヒト | 2010/05/05 21:56
武蔵野美術大学の通信課程で、これに似たトラブルはいくつも知ってます。
例えば教育実習に行くために高校や中学に承認してもらい、(通信は仕事をしながら勉強している人も多々)職場に1ヶ月の有給休暇を申請し、という手続きを踏んでいるにもかかわらず課題2のレポートを返送期間が過ぎているにもかかわらず、なかなか返送してもらえないため何度も返送してくれという要望していたにも関わらず、無視され実習の1ヶ月前に不可と返して来て、実習にはそれが通っていないから実習に出る事が認められないとばっさり切り落とされた人。
レポートの返送が来なくてぎりぎりで落とされ進級出来なかった人。
事務や教授が言う事がころころ変わり、騙されちゃった人。
学芸員と教員免許の免許が取れるというふれこみにもかかわらず、どれもほぼ取れないトラップ教科がいくつか用意され(教職員が他教科取得で期間限定のなか来ているにもかかわらず)、相当取りにくく設定されていること。
単位が足りないと免許申請書を書いてもらえず、別の学校で取ろうと自治体にかけあったところ、何で取れないのか?単位は満たされていると、事務が取れる事を知っていたにもかかわらずに嘘をつかれ、受かっていた教員採用試験と決まっていた学校を断り断念したにもかかわらず、悪びれる事なくしらをきられ、将来がめちゃくちゃになった人
半年くらい平気でレポートを返さない教授がいるのに、散々対応を要望したのに全く対応しないで留年せざるを得なかった人
そもそも、通信の意義は資金集めですからね。長く抱えてなんぼです。ところで随分見違えるほど新しい校舎の建て替えが進みましたね。
投稿情報: さてと | 2010/05/08 22:47
ムサビの学生です。
履修登録の時期に旅行を入れること自体、やや慎重さに欠けていると思います。普通に全日で通学する学生も同じで、「旅行で遅延した」などの理由で履修登録できなかったから再履修をお願いします、というケースは認められていません。
これに関して大学を批判するのは、お門違いでしょう。大学の履修登録案内にも、時間期日厳守とくどいくらいありますし。
また、「大学側がとにかく悪い」ならば強気で出て、事務方の態度の悪さも指摘できますが、願書をしっかりと確認を取らなかったことも、原因の一つかと思います。
ムサビ自体が「一般教養といった総合知識を得た上でこそ芸術表現を可能にする」という理念の大学であるため、「絵の勉強だけしたかったのに…」というのは、大学の個性や傾向を考えれば仕方のなかったところではないでしょうか。
ちなみに…フォロワー5000人なら圧倒的強者でしょう。ましてや、あなたのような立場の方なら。
そもそも相手の大学側がTwitterアカウントを持ってないですし。
確かにムサビの事務方は対応が腹が立つときが、現役学生としてもあります。ですが、入学後のオリエンテーションや資格取得オリエンテーションも何度もありますし、すべて「対応が悪い」「誠意が見えない」で片づけられないと思ってしまいました。
投稿情報: Viva | 2010/05/10 02:52
こんにちは
大学関係者として無視できない状況なので書き込みます。
願書の確認やら旅行日程やらの「失策」はよくあることですが、今回のそのそもの発端は「入学説明会」であり、これがどういう位置づけで行われているか、A教授がどういう立場で出席・回答していたか、という点が本来は問題だと思います。
用意周到な大学では、例えば「個別の事情等に関する問い合わせは直接文書で事務へお問い合わせください」とか「説明会での回答が不十分な場合もあるので各自願書等でご確認ください」などの予防線を張っているところもあるでしょう。また、説明会にかり出される教員が十分な知識を持っていないこともよくあるので、教員とは「懇談」程度としたり、余計なことはしゃべらせない場合が多いと思います。
しかし、今回の場合はA教授がいかにも不用意です。自分がわからないことは、事務方に聞くなり、後日事務方に問い合わせるなりすべきですが、きっと「かり出された」タイプの人で、こういう業務に慣れていなかったのでしょう。
この手のトラブルは「言った言わない」の問題になりがちですが、この大学だと他にも同様のトラブルが起きていて、事務も教授会もそこそこ自覚があるはずです。奥様も、「編入に切り替えろ」とか「30単位全て認めろ」と言っているわけではなく、また将来戦略を持つ大学なら大抵(入学前だけでなく)他大学での取得単位を卒業単位等として認定する方向にあります(学生確保のため)。
しかし、他の方も触れておられたように、このような単位認定については教授会の協議事項ですから、信頼できる教員か事務方に間に入ってもらって(A教授個人のミスというよりも)件の説明会での(受けた質問と回答を記録にとどめたりフォローをしなかったという)「手続きミス」の存在について大学側と合意し、教授会で認定単位の検討を行ってもらうべきだと思います。奥様のお気持ちによっては、「ミス」が確認できるだけでも気が晴れるかもしれません。
スクーリングの問題は微妙ではありますが、やはり単位認定・編入の問題と切り離せるものではないと思います(それに今どき、マンモス大である私の勤務校でも学生関連の重要事項については文書だけでなく携帯やメールを使って事務が学生に連絡を取ります)。ただ、手続きが終わっただけでなく、他の諸処の段取りが現実に間に合わないというのなら、肉を切らせて骨を断つ?手もあるかもしれません。
いずれにしても、事務の窓口(平の事務員さん)を相手にしている限り、時間だけが過ぎて状況が悪化してゆきます。内部(事務方または教員)で相談できる人を見つけ出し、(できれば大学を態度硬化させるマスコミリークなどの手でなく)穏便(^^;)に現実的解決を探れないでしょうか。
当たり前のことばかり長々と書きましたが、奥様が納得できる決着に至ることを願います。
投稿情報: serow | 2010/05/12 14:05
こんばんは。
私は武蔵美短大(通学)卒で、武蔵美通信が4年制になった時に、3年次編入したものです。
コミュニケーションデザインコースに編入したのですが、同級生でセツ・モードセミナーを卒業して、頼み込んで3年次編入したと言う人がいました。
その人はそのまま卒業してしまいました。
セツ・モードセミナーは専門学校の認可を受けていないと思います。
始めの頃は、専門学校卒業であれば、編入が認められると言う決まりはあったように思いますが、「専門士」という項目はなかったような気がします。
3年前にはその規定は、もう出来ていたようにも思いますが。
でも、専門学校でも短大でも大学でもない学校を出た人が編入できたのに、専門学校を出た専門士が編入できないと言うのも不思議ですね。
今は年度の途中ではコース変更できませんが、その頃は5月頃に他のコースに変わりたいといって、認められていた人がいました。
きっと決まりがなかったのでしょう。
コミュニケーションデザインコースの授業では、私たちは先生方に、無断で授業の間中、監視カメラのようにビデオで撮影されていました。
肖像権の侵害ではないでしょうか。
そのことに抗議をした人は、「何を言っている」と先生方に罵声を浴びせられました。
その後大学に抗議した人がいるのか、突然撮影に関する決まりが出来ました。
先生方が学生に、撮影の許可を取るようになったのが気持ち悪かったです。
訴えられる前に、先手を打ったのかと思いました。
私は短大に通学していたときは、毎日が楽しく、本当に武蔵美はいい大学だと思っていました。
でも通信は、お金儲けのためにやっているとしか、思えません。
投稿情報: korigori | 2010/05/23 00:45
korigoriさま
ムサビの通信生ですが、今は授業中に撮影しているなんてことはありません。
確かに、不快な思いをされたのは理解できますが、すでに改めたことに対し、公共の場であるネットで、一方的に非難するのはフェアではないと思います。少なくとも、先生方は、熱意をもって授業を導いて下さいますし、お金儲けのためと決めつけるのはいかがなものでしょうか。
投稿情報: ne | 2010/06/23 22:16
neさま
割り込みコメントですいません。
そのような過去があり、現在があること、これらをコメントで知る事が出来るのは、別に問題でもなんでも無いと思います。訂正があったことも書き加えられていることですので、偽りのコメントでもありませんし、過去も現在も、良いことばかりをつらねられれば問題がありませんが、現実的には誤りが生じて、それを大学が理解した時に訂正が施される訳ですよね。なので、こ儀礼な点ばかりを表層的に書くことだけに意味があるとは思えないです。割り込みですいません。
投稿情報: hizaza | 2010/06/25 16:57
追記
korigoriさまのコメントで私が考えたのは、改善された撮影の問題よりも、学校としての認可を受けていないセミナーの卒業生がゴリ押しで編入を認められたくだりです。もしこれが事実だとしたら、大学は確認をするべきであろうし、事実だとすれば、大学として大変問題のある判断だと思えるからです。私はコチラの点の方が議論するべき問題であると感じていました。
投稿情報: hizaza | 2010/06/25 17:10
役所とか金融機関とか、いろんな窓口で、わからないことや、納得いかないことは、口頭や資料で、わかるまで確認します。説明者が初心者の場合もあるし、こちらが聞きたいことについて知識がないのか、必要なことには答えず、知っているはずれた知識を口にすることで時間稼ぎをする説明者にもたまに遭遇します。どうしても怪しい、と思うときは、別の係りの人にセカンドオピニオンとして質問させていただくこともあります。
自分の人生、人任せにしてはいけないのかもしれません。それにしても、誤った説明をする窓口対応や営業、何を信頼して相手とお付き合いしたり、取引をしたらいいのか困った世の中です。大切な約束は、信頼できる責任感のある相手とに限ります。
奥様が、また大好きな学習を、心穏やかに続ける環境が整いますことをお祈りします。
投稿情報: さら | 2010/07/19 21:32
口頭説明と資料とで内容が違っていた訳だし、無責任ですね。資料の記述が絶対的に正しい保証もない訳ですし。どの情報を信頼して手続きしたらよいですか?と大学に質問したら、どんな回答が来たのでしょうか。
入学しようと手続きしている者への「己の大学の学生」という認識が薄い学校ですね。あればより良い環境と条件下で学習して伸びて欲しいと、出来る努力はすると思うんですけど。ただし、事務局や教職員側に「大学の一員」としての自覚に欠け、大学自ら設けた手続きであるにもかかわらず、とにかく片付けばいいやといった無目的な作業だけしているとこういう事件は発生します。この報告だけ読むと、大学も体面を保とうと必要最小限のことしか回答してきていないように見えます。自身の非をそれなりに認めているところもあるのかもしれません。
食品など不特定多数の消費者に被害を及ぼす製造過程は、省庁やマスコミなどにより追及され世の中から是正が求められますが、大学は自治が尊重されるからかこのような件は、学生の未熟さにその責を押し付けられてしまうことが残念です。30単位分お金も時間も費やし、更に今回のような交渉の経験からも学びを得られた訳で、これに懲りて、己より優れた者に学ばざれば損をするという教訓に。
こういう己の対面のためには他を犠牲にするといった風土、社風だったら変わらないですよ。
投稿情報: konnko | 2010/07/28 16:03
私の知っている大学の事務はひどかったですよ。外面がいい人が多いらしく上司・同僚受けは良かったりするみたいだけど、そばで見てると、自分に翻ってこないことへの対応はすごくいい加減で、その結果、都合が悪いことが起こるんだけど自分は関わっていない振りをするひとが結構いました(適当に対応しているから、覚えてさえもいないのか?)。不備のあった学生や教員の陰口をたたく・問題児扱いするのは普通で、嘲笑して(もちろん事務の人間しかいない場でです)憂さ晴らしにしているひともいました。そんな暇あるなら改善策とればいいだけなのに、毎度同じケースのトラブルに振り回されて忙しい!を連呼してました。教育機関の事務局だったので、正直びっくりしました。まじめな人が多いと思っていたので。聞いたら、企業から転職しているひとも結構いて、愛想がよく仕事も早いけど、いい加減であまりお近づきになりたくないのは、そういうタイプのひとに多かったです、その大学では。
転属してきた人への風当たりもなにげに強くて、仕事のツボを押さえるのが早かったりすると、先輩職員にいじめられてました。やることなすこといちいち陰で嫌味をいわれたり、その人抜きで打ち合わせをしたり、口車を合わせて上司の人に虚偽の告げ口したり。ターゲットになったひと、職員さんなのに退職に追い込まれちゃいました。結構ベテランさんだったのに。知り合いと話してたら、大学の事務職員ってどこでもこういうことがよくあると聞きます・・・って言ってました
投稿情報: yamacyan | 2010/08/02 06:08
その教授は、事務の人に審査基準の確認に行きました。対応した事務の人が「編入できない」と教授に説明しました。制作の基礎がない人は編入資格を満たしていても、別の学年に入学することを勧められます。個々に対しどの程度正確な説明をするのかは知りませんが、最終的には学生が納得して選択することだと思います。2年に編入しても、学習に制限は特段ありません。必要な学習が終わらなければ同じ学年に留まることができるからです。大学は正しい情報を充分に入学希望者に授け、学生が責任を持って選択することがあるべき姿だと思います。出願情報がそろわぬ段階で審査の白黒を回答することは危険です。経験豊かな人材を配置すべき業務と初心者をつける業務を仕分けて人員配置すべきだと思いますがその判断もできていません。弱いものに問題を押し付けるのはこの大学のトラブル対処法であらゆる場面で行われています。目立つ処で良い評判を創り、そのイメージで入学希望者を集めますが、一方で真摯な学生に追及されると反省するどころか正当性を主張し譲りません。泣き寝入りせず声をあげられ勇敢だと思います。
投稿情報: 匿名 | 2010/09/20 15:38
働いていた者です。パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメント、重度ではありませんでしたが長期間に亘り全て体験して、心身の疲労は限界、関わり続ける限りハラスメントから逃れられないと感じ、退職しました。通院は数年前から。途中通院せずに様子をみる期間もありましたが、退職の少し前から薬を飲みながら気持ちの安定に努め、今はここに就職する前の心身の健康を取り戻せるように頑張っています。友人も心から心配してくれ、サポートを得ながら休養しています。陰湿な組織体質の長年の影響や嫌がらせを受ける恐怖心は、人を信じる気持ちを失わせ再就職準備を阻害しています。まずは自然に笑顔が出るようになるまで、安全な環境で生活する予定です。疲労感、体の重さ、震え、顔のこわばり、ストレスからイライラを超え怒りの感情を抱える生活で本当に疲れました。退職手続が終わって感じたのは、学校や職場を離れる寂しさより「やっと終わった」という開放感でした。退職してずいぶんたちましたが、今でも気持ちの整理のつかない過去記憶が繰り返し思い出されて苦しめられています。勤務の記憶が早く全て過去形に変わり思い出せ無くなるようにと願っています。
>奥様へ
その後お元気になられましたか?非を認められないのは「老舗」「教育機関」の看板故。「間違ったことはあってはならない」という責任感がねじれて隠蔽体質になっているだけ。この学校の間違った責任感です。教員や授業、学生仲間など魅力もたくさんありますので、大学と上手にお付き合いしてください。お互い早く元気になりましょうね。気持ちが落ち着いたら美術もデザインも楽しいとまた思える日が来るといいなと思います。
(今は佐藤可士和夫人のブログを楽しみに生活しています。)では。
投稿情報: 私も匿名希望です。 | 2010/12/06 10:57
事務担当者が変わるごとに説明内容が異なっていたようで、資格取得に関することだったので学生側も心配になり何度も問い合わせの連絡を入れていました。そんな背景を知ってか知らずか「あの子飲み込みが悪いのよね」と学生のせいにした事務の人がいました。同じことが入学時に起こっていたんですね。
職場内がうまくいくことに気を取られて、必要なことをやらない事務の人が増えています。都合の悪いことは、大学関係者以外のせい。先生、学生、入学検討者、等々。身内批判したら評価に響くし、へたすれば職を失うから。よく人が入れ替わっています。そのことに比べたら学生一人の不利益なんてどうということはないのです。
ちなみに飲み込み悪いと批判されていた学生は無事資格も取れ卒業できたようです。良かったです。
投稿情報: 星 | 2011/01/26 14:45
一年たちましたが、その後いかがですか。問題は解決に向かいましたでしょうか。大学の事業計画書に、学生募集の広報活動の強化がうたわれているのを見るにつけ、むしろ本件のような際の誠実な対応が大切なのではと思った次第です。
一方で誠実であることの無為を一番よくわかっているのも、この領域および業界の人間かもしれないとも。誠実であることよりも世の関心や評判をいかに得るかで世間は動きます。誠実な作品よりも報道数や市場価格、誠実な製品だけでは売れずより効果的な宣伝。「造形」を極め追求してきた者が、純粋な探究心と現実の狭間で、形骸主義に陥ってしまったその姿をこの事件に見るようで、悲しみを覚えます。
学ばれている皆様には、どうぞ不器用なまでに真摯に造形と向かい合い、その本質はなにか、ご自分にとっての「解」と出会えますことを願ってやみません。そして芸術が人生の一部となり伴侶となり、作品と向かい合う思索の時間によって皆様の人生がより一層豊かになりますよう、そんな学習の時間となることをお祈り申し上げます。
そのためにも今後は事務トラブルに巻き込まれることがないように、不誠実な対応をされることがありませんように・・・と願っております。
投稿情報: 匿名 | 2011/05/02 23:23
大変そうですね・・
今年入学した者ですが、確かに事務の対応が??の時はあります
しかし美大はそんなもんだと思ってます
30単位分、無駄にならないといですね
投稿情報: 一 | 2011/05/22 22:54
その後、退学されたとか。
ほんとうにお疲れ様でした。
大学を嫌う気持ちよくわかります。
はやくむさびを忘れて
これからはよい人生を!
投稿情報: さおり | 2011/08/22 22:12
手抜きやミスがあっても自己正当化して、学生や被雇用者のせいにして、退学や退職に追い込み、やりたい放題なのは、校風なので、このブログを読まれた方も被害にあわれないように気を付けてください。
優秀で伝統ある自由闊達がうたい文句ですが、権力や立場の強さを利用して、弱い立場の人間を理不尽に追い詰め、力ずくで意を通そうとする大学です。
投稿情報: 匿名 | 2011/10/27 11:22
>手抜きやミスがあっても自己正当化して
2012年現在もそれは変わりありません。
事務局のミスや不備は多く、対応も良くありません。
卒業資格や免許が必要でなく、ただ美術や絵画を学びたいという方は絵画教室等に通うことをオススメします。
投稿情報: - | 2012/04/29 13:00