というわけで、一部の方には告知させていただいたのですが、只今AR(拡張現実)の本に取り組んでおります。その一巻で、こんなものを取材して参りました:
■ ローソン、ARで実物大エヴァンゲリオン初号機を第3新東京市に出現させる
そう、ARで実物大の!エヴァ初号機を出現させようという試みです。残念ながら来場者が殺到してしまったため(ARエヴァだけでなく今回のキャンペーン全体としての集客なのですが)、周辺の混乱が避けられないとのことで企画はすぐに中止に。しかし先週末の土日、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22』の発売を記念した先行上映イベントで限定復活となり、箱根まで取材に行ってきたという次第です。
取材の様子は、本または何らかの記事に盛り込まさせていただくとして――実物(実AR?)はどうだったのか。いや、本を書いてるから言うわけではありませんが、これが本当に楽しかった!
誤解を恐れずに言えば、ARの表現力はまだまだ稚拙なものです(もちろんこれだけでもスゴイことなのですが)。技術的制約により、どうしてもフワフワと動いてしまいますし、障害物が多いところには合いません(本当は手前にあるはずの物体の上に画像を重ねてしまうため)。もう少し重厚感が欲しいし、できれば動いて見せて欲しい――しかしそんな弱点を補って余りあるほど、今回の経験は楽しいものでした。
午前11時、様々な事情で表示が規制されていたARエヴァが解禁されると、会場となった中学校の校庭のあちこちで歓声が上がります。「見えた!」「こっちにいるぞ!」「近すぎてよく分からない……」などなど。そしてみな一様に、iPhoneを頭上にかざしたままで移動を始めます。様々な角度から見てみたいし、エヴァの周囲を回り込むという体験がしてみたい。エヴァの真下にも行ってみたいし、遠くから全景も見てみたい。お台場の実物大ガンダムを観に行かれた方なら、この心境がご理解いただけるのではないでしょうか。
そして僕が(年甲斐もなく)「見えた!」と叫んでいると、周囲に他の参加者が集まってきて、「iPhoneを持っていないので、ちょっと見せて下さい!」と好奇心一杯の顔でお願いしてきます。そこで皆にiPhoneを貸してあげて、自分が作ったわけでもないのにちょっと得意になってみたり……僕だけでなく、他のiPhoneユーザーの周りにも、同じような人の輪と歓声が生まれていました。
こう言ってしまうと怒られるかもしれませんが、単純な、分かりやすい面白さというものがARにはあります。まだまだリアリティには改善の余地があるにしても、実物大のエヴァがそこにいる。移動してあちこちでiPhoneをのぞき込むことで、それが実感として感じられる。それを皆で共有できる。これだけで十分に満足できる体験でした。
とはいえ、運営の方々には様々なご苦労があったとのこと。現地に行って実感したのですが、ARは拡張「現実」なんですよね。エヴァ自体はヴァーチャルな存在だとしても、当然ながら現実の制約が立ちふさがるわけで、それをどう解決していくかがARイベントの正否を握るのかなぁなどと感じています。
余談ですが、意外な敵は太陽でした。もちろん天気が良い方が写真映えするのですが、このように見上げたショットを取ろうとすると太陽が目に!本物のエヴァが居れば影になってくれるはずなのですが……流石にバーチャルなエヴァにはお願いできませんでした。iPadにカメラが搭載される時代になれば解決するかも!?
コメント