今年も9/11がやってきました。9年前の今日、忌まわしいテロ事件が起こり、無数の尊い命が犠牲になったことは改めて指摘する必要はないと思います。ただこの事件をどう捉えるか、どんな行動でそれを再認識するかは年によって変化しますが、今年はこんな話が出ています:
■ App Watch: Museum Looks at 9/11 Through Photos, Stories (Wall Street Journal)
9/11を追悼する専用iPhoneアプリがリリースされた、というニュース。その名も"Explore 9/11"というもので、喩えは悪いかもしれませんが、要は9/11をテーマにしたタウンガイドのようなもの。ただ興味本位のものではなく、National September 11 Memorial and Museum という団体が制作しています。
内容ですが、事件に関連する場所をめぐるツアーモードや、様々な写真が閲覧できるエクスプロアーモード、そして9/11の流れを追うタイムラインモードなどが用意されています。容量は約40MBということで、かなりのボリューム。
そしてこのエクスプロアーモードに用意されているのが、AR技術を使い、9/11当時の写真を現在の風景に重ね合わせて表示するというもの(残念ながらスクリーンショットは公開されていませんが、上のマップモードの右下に「AR」というボタンがあるのが分かりますね)。以前シロクマ日報の方で"Streetmuseum"というアプリを取り上げたことがありましたが、そちらはロンドンの過去の風景(を撮影した写真)と現在をオーバーラップさせるというものでした。ちょうどそれと同じ発想になっているようです。
ただし"Streetmuseum"と違い、画面の中に現れるのは凄惨な光景ということですよね。確かにインパクトはあるかもしれませんが、人々がそれを受け止められるほどの「歴史」に9/11がなっているのかどうか、少し不安な気がします。個人的にも9/11当時はボストンにいて、自分がいる国でこんな事件が起きていることが信じられず、今でも映像を見るだけで当時の感情を思い出すことがあるのですが……。大げさなようですが、ARが与える心理的インパクトについても考慮することが必要な時代に入りつつあるのかもしれません。
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