気づいたら一ヶ月後はクリスマスイブ。ということで、なかなか興味深いアクセス解析結果を紹介している記事を:
■ Pornhub Traffic Trends Driven by Worldwide Events (PornHub Insights)
PornHubとはアダルト映像版YouTube的なサイトだとお考え下さい。当然ながら同サイトへのアクセスはすべてデータとして記録され、いつ、どんな国から、どの程度の量のトラフィックがあったかを解析することができるわけですね。
あらゆる行動がデジタル化される現代、ということで、アダルトな行為も例外ではありません。というよりアダルトが新技術を牽引するという話もあるわけで、むしろデジタル化が進んでいる領域とも言えるでしょう。
そしてデジタル化された行動は、あとからいくらでも分析することができます。先月参加したStrata Conferenceでも、米国の恋人紹介サイトeHarmonyの中の人が登壇して、「ジャンクフード好きな人は関係が長続きしない傾向が見られる」「プロフィール写真内で顔が占める比率が大きすぎても、小さすぎてもメールをもらえる確率が下がる」といった知見を披露していました。どんなに些細な、下らない行動であっても、それがデータ化され蓄積されることで意外な発見につながるわけですね。
で、話を元に戻して、PornHubへのアクセス解析について。彼らは単にトラフィックを把握するだけでなく、他の様々な出来事(ロンドン五輪やオサマ・ビン・ラディン殺害など)と比較して、それがアダルトサイトへのアクセスにどう影響したのかを分析しています。実際には全てのアダルトサイトへのアクセスというわけではなく、PornHubという1つのサービスへのアクセスだけを分析しているのであり、またどんな心理がアクセスの増減に影響したかは推測に過ぎないのですが、それでもなかなか面白い結果が出ています。
例えば日本人とクリスマス。2012年のクリスマスイブ、全世界的にPornHubへのトラフィックが減る(平均で22%減)中で、日本だけは変化なしという結果に:
さらに同じく2012年のクリスマス当日、こちらも世界平均では22%のトラフィック減という結果になっているにも関わらず、日本だけは逆に8%トラフィックが増えています。PornHub曰く「日本では無料ポルノが人気のクリスマスプレゼント」:
ということで日本人何してんのという感じですが、欧米ではクリスマスが一家団欒のイベントであることを考えると(そして日本ではなぜか恋人のためのイベント的な位置づけになっていることを考えると)、この結果も不思議ではないかもしれません。恐らく欧米ではこの時期家族と過ごしているので、アダルトサイトへのトラフィックが減るのでしょう。その証拠に、大晦日と元旦については、日本の方がアクセスする人が少なくなるという結果が出ています(それぞれ世界平均が28%と15%の減であるのに対し、日本では45%と30%の減)。あくまでも仮説ですが、日本では大晦日と元旦の方が一家団欒的な性格の強いイベントだから、と言えるのではないでしょうか。
ともあれこの結果は、アダルトサイトへのアクセスというちょっと口に出しにくいようなデータからも、社会の動きを見出すことができるのだということを示しているでしょう。むしろ人々がプライベートでどんな行動をしているのか知りたければ、こういったデータの方が正確な情報を得られるかもしれません。ちなみにiPadが発売された当日、米国内からのPornHubへのアクセスが9%増加したそうなのですが、これってタブレットという大画面のモバイル端末で……
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