朝起きて、新聞を取りにいくあなた。届いた新聞を開くと、いつものようにバサバサと折込チラシがすべり落ちます。その中に、一風変わった折込が。チラシの表面はこう読めます -- 「ただいま有名作家・有名小説の中古本を、大特価発売中!いますぐ www.amazon.co.jp へアクセス!!」 -- そう、インターネット書店のアマゾンがチラシをつくり、新聞に折り込んできていたのです・・・
とこんな荒唐無稽とも思える話が、現実に起き始めています。まずは以下の写真をご覧下さい:
チラシ上部に「西友ネットスーパー」とあるのが分かるでしょうか?タイトルの通り、これは西友が展開しているネットショッピングサイトのチラシです。実在の店舗のチラシに「ネットスーパーにも来てね」というバナーが入っているのではなく、裏表前面ネットスーパーを広告する内容となっています。目玉商品が大きく写真付きで配置されるなど、一見すると普通の店舗チラシに見えてしまいますが・・・(ただし裏面は一面が「ネットスーパーとは何か、どうやって利用するか」という説明に当てられており、消費者が勘違いしたり、「使い方が分からない」といったようなクレームを上げたりすることを防ぐように工夫されています)。
ちなみにこのチラシは今朝の新聞に折り込まれ、西友ネットスーパーの配送対象エリアに対して幅広くまかれたようです。最近あまり元気のない西友ですが、ネット事業に活路を見出そうという姿勢の現れでしょうか。
僕らからすれば、「なぜECサイトの宣伝を折込チラシでやらなくちゃいけないんだ、いまはネット上からチラシを見れるようにしようという時代なのに」という感想かもしれません。しかし「折込チラシを毎日チェックする」という習慣は根強く残っていますし、「(ネットでニュースをチェックできるので)新聞はいらないけど折込チラシが欲しい」という声があることからも、消費者がチラシという形態を支持していることも確かです。そういった層に利用者を広げていこうとするならば、しばらくは「チラシでWEBサービス広告」というのも有効な手段なのではないでしょうか。
しかし朝なにげなく見ていたチラシがECサイトの広告だったとしたら、驚くでしょうね(扱うモノにもよりけりでしょうが)・・・。昨日の「サカタのタネにQRコード」もそうでしたが、これから「こんなところにまで!?」と驚くような分野にIT・ネットが姿を現すのかもしれません。
POPというのが購買シーンに一番隣接したところであるとすると、様々なメディア横断する形でコンタクトポイントが生活シーンのあらゆるところに進出するということのようですね。実際、距離間だけでいえば、新聞の折込チラシを基点とした物理的な距離は、実店舗よりPCの方が近いというのがポイントでしょうか。
うーん、サイバーな時代ですね(笑)
投稿情報: p-article | 2006/11/30 15:39
p-article さん、コメントありがとうございます。
現状でネットを使いこなしている人々の場合、コンタクト・ポイントをネットに限定・集中させるという方が便利と感じてもらえるのかもしれませんが、そうでない人々に対しては従来型の手法をちりばめることが必要不可欠ということかもしれませんね。ある意味、最先端のITC技術を駆使するよりも難しいことかも・・・
投稿情報: アキヒト | 2006/12/04 13:39