CGM時代になり、プロの記者と「市民記者」(一部サイトのせいでこの言葉にネガティブな意味が込められるようになってしまったため、カッコ付きにしてみました)の関係が盛んに論じられるようになりました。WEBサイトとしては、これまで「プロ記者だけ(旧来型メディア)」「市民記者だけ(JanJan や OhMyNews など、あるいは Blogosphere 全体?)」「プロ記者の記事+読者の反応(コメントやトラックバックなど)」という3つのパターンが存在しているわけですが、新しいタイプのメディアが登場したそうです:
■ Front page rivalry: pros versus citizen journalists (Springwise)
デンマークのニュースサイト"Avisen.dk"について。残念ながらデンマーク語のみのサイトとなるので、Springwise の記事からだけの情報となりますが、こんな仕組みとのこと:
- 記者だけでなく、ブロガーや「市民記者」も記事を書けるようになっている。
- 市民記者は"'Læserskribenter (英語だと reader-writers 「読者記者」)"と呼ばれ、登録するとブログが開設できる。
- 「読者記者」が書いた記事がブログからホームページに転載されるか否かは、記事の人気度によって決まる。
- "Most Read (最も読まれている記事)"と"Most Debated(最も議論されている記事)"という2つのコーナーが用意されていて、ここではプロ記者の記事と市民記者の記事が並列で扱われ、ランキングを競う。
上にあるのがトップページのスクリーンショットで、右下にあるのが「Mest læste (最も読まれている記事)」「Mest debatterede (最も議論されている記事)」セクションのようです。青い矢印のアイコンがプロ記者の記事で、緑色の人型が「読者記者」の記事ですね。現時点では、「最も読まれている記事」にはプロ記事2・読者記事3がエントリ、「最も議論されている記事」にはプロ記事3・読者記事2がエントリされていて、ほぼ半々で競い合っているようです。
またプロ記者が書いた記事を見ると、以下のように記者の人気度ランキングが表示されています。個々の記事に対して評価ができるサイトは多いですが(もちろん Avisen でも同じ機能あり)、記者個人のプロフィールと評価をオープンにするのは珍しいのでは(諸外国のサイトでは一般的なのかもしれませんが):
RSSリーダーを使えば、現時点でもマスメディアの記事とブログ記事を同じ立場で扱うことができます。しかしそのためにはマスメディア側がRSS配信に対応していなければなりませんし、RSSリーダーに「新着記事を一括表示」のような機能が無ければ、結局は「どのサイトの記事か」を意識することになります。Avisen のように、プロ記者と市民記者を同じ土俵に乗せて競わせるという試みは面白いのではないでしょうか。
ここまではすぐにはムリだとしても、記者がちゃんと顔を出して読者の評価を受けるという姿勢は見習って欲しいですね。どんな形でも、記事を書くことに「緊張感」を持つような仕組みであれば、ジャーナリズムの質は向上していくと思います。
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