先日のAMNブログイベント「ブログと広告」に出席した際、音楽配信メモの津田大介さんが「最近はソーシャルブックマークがあるので、ブログを書き始めたばかりの人でも、面白いエントリを書けば注目を集めることができる」というようなことを仰っていました。基本的にはそれに賛成で、このブログでもソーシャルブックマーク経由でアクセスが集まるということがよくあります。
しかし一方で、多くの方々が指摘されるところですが、いまのソーシャルブックマーク/ソーシャルニュースサイトが拾ってくるのは「万人にとって面白い」記事でしかないということも感じます。万人にウケるというか、「はてブコミュニティ」などのように、個々のサービスを利用するユーザー層にウケる記事。多くのユーザーに支持されたものが注目記事として浮き上がる仕組みなのですから、最大公約数的な内容が集まるのは当然と言えば当然です。
とりあえず「注目記事」を見ていれば面白い記事に出会うことができますから、それはそれで間違いではありません。しかし「興味を持つ人は少ないけど、自分にとっては大事な記事」を拾うのは、人気投票型では不可能。その意味で、集合知による面白い記事探しには限界があると思います。
その一方で、最近僕は Buzzurl 経由で「興味を持つ人は少ないけど、自分にとっては大事な記事」を発見することが多くなっています。そのカギとなったのが、シンクロユーザーという機能。これは自分の過去のブックマーク内容を元に、同じ記事をブックマークする傾向のあるユーザーを探してくれるというもので、シンクロ率はご覧のように棒グラフで表示されます:
これは現時点での僕の「シンクロユーザー」なのですが、彼らと僕の興味の方向性は似ているわけですから、彼らのブックマークは僕にとっても興味深い内容である確率が高いわけですね。こうして見つけた、某シンクロユーザーさんのブクマ内容を覗かせてもらうことで、「おおー、こんなニュースがあったのか!」とニンマリすることが最近よくあります。
これは言うなれば、自分だけのアルファブックマーカーを見つけたような状態。恐らく同じように、何らかの形で「自分だけのアルファさん」を見つけられている方は多いのではないでしょうか。そんな方は、彼らの存在がどれほど情報収集を効率化してくれるかお分かりだと思います。今後はこういった「自分だけのアルファ」探しをサポートするようなツール(シンクロユーザーのように)が発展することで、「ネット上で面白い記事を探すためのツール」としてのソーシャルブックマーク/ソーシャルニュースが進化するのかなぁと思います。
最近「ブログは飽和状態」と言われますが、これも多くの方々が仰る通り、まだまだカバーできていない領域があるのではないでしょうか。そういった領域の中には、極めてニッチなため見つけることが難しかったり、ニーズが一時的なため書き手が入れ替わる(子育てなどのように)ものがあります。そういった領域で「アルファブロガー」的な存在を育てる/見出すツールとしても、「ソーシャルブックマーク with 自分だけのアルファブックマーカー」という存在を創り出していくことが重要ではないかと思います。
< 10月31日 追記 >
はてブのコメントで、はてなブックマークにも「シンクロユーザー」と同様のサービスがあることを知りました:
ありがとうございます。1年前から存在していたのですね……全然知りませんでした。こっちのサービスには、「シンクロユーザーのシンクロユーザー」を探す機能があって面白いかも。
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