英国政府と Twitter といえば、「政府機関のための Twitter 戦略テンプレート」まで登場するほど活用が進んでいるわけですが、今度は英国の裁判所が Twitter を使い始めたそうです:
■ UK court orders writ to be served via Twitter (Reuters)
"writ"とは令状のこと。つまり「英国の裁判所が令状を Twitter 経由で送るように命じた」というタイトルなのですが、どういうことかと言うと:
Britain's High Court ordered its first injunction via Twitter on Thursday, saying the social website and micro-blogging service was the best way to reach an anonymous Tweeter who had been impersonating someone.
Solicitors Griffin Law sought the injunction against the micro-blog page www.twitter.com/blaneysblarney arguing it was impersonating right-wing blogger Donal Blaney, the owner of Griffin Law.
英国の最高裁判所は木曜日、史上初となる「Twitter 経由の禁止命令」を出した。その中では、ソーシャルサイトやマイクロブログサービスは「なりすまし」をしている匿名 Twitter ユーザーと連絡を取るのに最良の方法であると述べられている。
原告の Griffin Law は、@blaneysblarneyというアカウントが右翼ブロガーの Donal Blaney になりすましているとして、同アカウントに対する禁止命令を求めていた。Donal Blaney は Griffin Law のオーナーでもある。
とのこと。要はなりすましアカウントに対して、その行為を止めるような裁判所命令を出したと。で、当然ながらそのアカウントは匿名なので、直接 Twitter 上でその連絡をしたというわけですね(具体的な方法は書かれていませんが、リプライで送ったのかも?)。ちなみにいま"blaneysblarney"で Twitter 検索を行うと、様々な議論が行われていることが分かります。
確かに Twitter を始めとしたソーシャルメディアは本質的にコミュニケーションツールなわけですし、こうした公的な性格を持つ通達に使われても、なんら不思議ではありません。むしろソーシャルメディアの方が連絡がつきやすい、という人も中にはいるわけですから、裁判所がこうした命令を下すのも理に叶っていると言えるでしょう。
ちなみにこの件については、当事者の Griffin Law でも次のような記事を発表しています:
■ Griffin Law makes law by serving via Twitter
どうも"Blaney's Blarney"という、Blaney 氏自身が更新しているブログがあり、今回問題となった Twitter はこの名前を勝手に語っている……ということのようですね。いずれにしても英国の裁判所は、ちゃんと時代の変化を認識していると言えそうです。まぁこの一件だけでは結論を急ぎすぎかもしれませんが、海の向こうではここまで状況が進んでいるということで。
s/語っている/騙っている/
ですよね。
細かい指摘かとは思いましたが一応。
投稿情報: 天井冴太 | 2009/10/07 01:07