RSS配信に様々な工夫が凝らされるようになってきたことについては、これまでもお伝えしてきましたが(参考記事:進化するRSS配信)、ユーザー毎にRSSフィードの中身を変えるサービスが現れたというニュース:
Silverpop Adds Personalize-able RSS
サービス名はRSSDirectで、個人毎にカスタマイズ可能なRSSを"individualized RSS (略してIRSS)"と名づけています。どうやって個人毎にコンテンツを変えるのか、アルゴリズムは不明ですが、このサービスを行っているSilverpopのRSSDirect紹介ページを読むと、
An airline could notify customers of fare sales via RSSDirect,
personalizing the message for each recipient by highlighting the
cost of tickets from his or her hometown airport.
なんてこともできるようです。東京に住んでる人には「成田発ニューヨーク行き格安航空券、今なら○○円!」、名古屋に住んでる人には「話題のセントレア空港発バンコク行き、10月中○○円!」なんて感じの記事に変化させてくれるのでしょうか。
どんなアルゴリズムにせよ、受信者ごとに配信するRSSフィードを変えるというのは、新しいアイデアではありません。以前の記事(RSSを活用したマーケティング)でもご紹介しましたが、JTBでは独自のRSSリーダーを用いることで、ユーザー属性に応じた内容のRSSを配信しています。
ポイントは、この仕組みが汎用的に使えるようになること。JTB型の仕組みだと、JTBが開発した(そしてユーザーのPCにインストールされた)独自RSSリーダーに情報を配信するしかありません。実際に、ロッテがJTBの仕組みを利用してRSS配信を行っていますが(参考記事:波多野ブログ「個人情報を使わないCRM」)、配信先のRSSリーダーには「お届けくん」を使っています。
つまりJTB型だと、プラットフォームである「お届けくん」をインストールしてもらう必要があります。これはけっこう大変で、直接対面でお願いしたとしても、新しいソフトはなかなかインストールしてもらえません。しかしRSSDirectでは、デモ画面を見てもらえば分かる通り、配信するRSSフィードの方をカスタマイズしてしまうので、特別なRSSリーダーは必要ありません。これなら、RSSリーダーを既に理解しているユーザーであれば、簡単にパーソナライズしたRSSフィードを配信することができます。
記事を始めから配信する仕組みや、中身の個人化する仕組みが実現されることで、従来のEメールマーケティングで行えていたことが全てRSS上で可能になるのではないでしょうか。そうなると、フィッシングやスパムなどの問題が起きやすいEメールによるプロモーションは、しだいにRSSへとその場を移して行くのでしょう。
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