今日はバーティカル検索エンジンのニュースが続きますが、今度は不動産分野でのバーティカル検索エンジンのニュース:
Real Estate vertical search with Trulia (TechCrunch)
Truliaという検索エンジンで、現在は西海岸の一部地域のみの不動産情報が検索できます。残念ながらボストンを検索しようとすると"Sorry, we are not live in Massachusetts yet."とのお詫びが。なので土地勘がない都市の検索ばかりしてみましたが、なかなか便利なサービスです。下はそのスクリーンショット(クリックで拡大)。
予想通り?Google Mapを利用した地図が画面横に表示され、各物件の場所が簡単に分かるようになっています。価格/寝室数/浴室数/床面積での条件設定が可能で、検索結果はEメールもしくはRSSで配信することができます。
地図の表示にも一工夫凝らされています。縮尺の関係で、物件が集中してしまっている場合には、集中している地域にはピン(緑色)は表示されません。その代わり半透明の黄色いサークルが表示され、その上にカーソルを合わせると、「土地名(サークル内にある物件数)」と表示されます(下のスクリーンショット参照:分かりづらいですが、下にある"Spring Valley"と表示されている横のサークルにカーソルを合わせた際の画面です)。
また上のスクリーンショットでは切れてしまっているのですが、対象地域の平均相場が分かります。例えばサンディエゴで検索してみると、
Average House Prices: 1 bedroom $309,073 2 bedrooms $462,954 3 bedrooms $612,547 4+ bedrooms $778,320 Local Market Indicators: Avg. Sale to List Price 100% Avg. Days on Market 85 days Avg. Price per Sq Ft $380
という結果が。当然ですが、ボストンの相場とはかなり異なります(ボストンの方がずっと高い)。これは遠くの土地から引っ越そうとしている人にとっては、かなり便利な機能なのではないでしょうか。
相場表示機能に現れているように、単純にMashupして作ったお手軽サイトではありません。バーティカル検索ならではの特殊な条件設定による検索/並び替えも可能ですし、ちゃんとユーザーの立場に立って作られたサービスという印象を受けます。またTechCrunchの記事によれば、検索できる物件数を増やすために、大きな労力を払って不動産サイト上のデータを取得する仕組みを構築したようです。であれば、他社に簡単にマネされてしまう心配は少ないのではないでしょうか。
以前ご紹介したHealthLineも、医療分野に限られた情報を検索できるようにして終わりではなく、「医師の意見を参考にしたナビゲーション構成」という独自の強みを持っていました。単なる検索に終わらず、プラスアルファの機能(しかも他社が容易に模倣できない機能)を付けるというのは、バーティカル検索エンジンにとっては欠かせない戦略だと言えるでしょう。
Technorati Tags: trulia, search engine, vertical search, web 2.0
追記:
投稿した後で遊んでいたら、"Fun Lists"というページを発見しました。ジャンプしていただければ分かると思いますが、このページでは「大きな家が多い町ベスト50」「ベッドルーム1部屋当りのバスルーム数が大きい町ベスト50」など、さまざまな統計結果で町をソートしたリストを表示してくれます。これはインデックスしている物件数が多いからこそ、実現できる機能でしょう。それだけでもTruliaの強みが感じられますが、「ちょっとした遊び心」があるというところが、今後の成長を感じさせます。
コメント