中小企業が大企業に対抗するための戦略として、「ニッチなサービスに特化する」という手段がありますが、検索エンジンの世界でもこの戦略は有効なようです。毎度ですが、Techcrunchで紹介されていたサービス:
HealthLine - Reliable Medical Information (Techcrunch)
HealthLineという、医療情報に特化した検索エンジン。これ、かなり完成度が高いサービスだと思います。少し触れただけですが、医学用語を知らなくても目的の情報にたどり着けるように、さまざまな工夫が施されていることが分かります。
例えば、ひどく頭痛がするとしましょう。何が原因か分からないので、"bad headache"と入力して検索してみます(下図参照:クリックで拡大)。
通常の検索エンジンと同様、様々なサイトがヒットしますが、表示されているのはちゃんとした医療関係サイトが主です。具体的なアルゴリズムは不明ですが、病気と関係のない記事は検索の対象外になっているようです(試しにGoogleで"bad headache"で検索した結果と比べてみると、かなり結果が異なることが分かります)。またこの結果の一番上に表示されているように、医師がレビューした記事については、ちゃんとそれが分かるように示されています。
さらに表示された結果の上には、Broaden Searchとして"brain diseases(脳疾患)"や"neurological disorders(神経疾患)"などの関連単語で検索できたり、Narrow Searchとして"headache treatment(頭痛の治療)"や"migraine(偏頭痛)"など検索を絞り込むことができます。
ユニークなのは、"HealthMap"という機能。これは「頭痛」という症状に対して、「原因」「治療」「予防」など、関連する情報を視覚的に表示したものです(下図参照:クリックで拡大)。
migraine(偏頭痛)というような医学用語を知らなくても、「頭が痛い」というだけで、知りたい情報へとナビゲートしてくれる-これはちょうど、実際の医師に診察してもらうのと近いイメージなのではないでしょうか。実際にこのサービスは、1000名を超える医師達と5年間をかけて開発された、と解説されていますし("About Us"ページ参照)。
さらにサインアップすることで、記事にタグが貼れたり、記事へのレビューが書けたりと、Web 2.0的な機能も付いています。こうした機能は、同じ目的を持つグループ(この場合は「役に立つ医療情報を得たい」という目的を持つ人々)の中ではさらに効果を増すのではないでしょうか。
ウェブ上の情報が膨張を続ければ続けるほど、それを絞り込むサービスが必要になります(以前から紹介している"Squidoo"も同じ発想)。HealthLineの考え方は、医療情報以外の分野にも応用できるアプローチだと思います。
Technorati tags: healthline, search engine, web 2.0
※10月18日追記
メディア・パブさんでもHealthLineが紹介されていました。
健康分野専門の検索エンジン“Healthline”がサービス開始(メディア・パブ)
記事によると、「巡回するWebをヘルス関連の6万2000サイト(5000万ページ)に絞り込んでいる」とのことで、やはり検索対象サイトを絞り込んでいるのですね。
こんな医学用語辞書あった。
英英(関連図が出る):
http://www.curehunter.com/public/dictionary.do
和英英和:
http://yakugo.com
投稿情報: Medical Dictionary | 2008/02/28 11:08
Medical Dictionary さん、コメントありがとうございます。
Google Health も登場しましたし、この分野のWEBサービスは今後さらに発展していきそうですね。
投稿情報: アキヒト | 2008/03/04 12:47