関係者の間で知識に差があると、「騙す」という行為が可能になります。リフォーム詐欺や耐震偽装の問題なども、この「知識の差」というところに一因があると言っていいでしょう。しかし騙されるのを防ぐためといっても、専門家に匹敵するような知識を簡単に得ることはできません。
その代表例の1つが、タクシーでの移動でしょう。知らない土地をタクシーで移動している時に、何か遠回りをされているような気がする・・・という経験を持っている人は多いのではないでしょうか。しかし相手は道の専門家ですし、「これが一番近道だ」と言われてしまえばそれまでです。「この時間帯は遠回りした方が早い」と言われたら、もっと反論は難しくなるでしょう。
そこで出番となるのが、検索エンジンです。今朝の日経流通新聞に、こんなサービスが紹介されていました:
新発想で勝負/タクシーサイト 運賃の目安・道順を表示(日経流通新聞2006年2月27日第16面)
紹介されているのはタクシーサイトといって、タクシーを利用する際の運賃と道順の目安を確認できるサービスです。出発地と目的地を入力すると、その地域の一般的な運賃を参考に料金の目安を算出し、経路表示機能を使うことで衛星写真に経路を表示させることができるそうです(ちなみにタクシー料金を調べるには無料の会員登録が必要)。実際に利用者の多くは男性会社員で、記事によれば「普段の外回りで使う前にチェックしたり、出張先でどのくらい運賃がかかるかを把握するのに使っている」とのこと。
試しに泉ガーデンタワーから三鷹駅まで、深夜に高速道路を使った場合の運賃を計算してみました(クリックで拡大):
確かについ先日、深夜にタクシーで帰宅した時とほぼ同じ金額です。ここで「経路を表示」メニューをクリックすると、以下のような地図が表示されます(クリックで拡大):
Google Mapsとのマッシュアップなので、マップ⇔サテライトの切り替えや、拡大・縮小が自由に行えます(画像でバルーンが崩れているのは、ブラウザがFireFoxだからでしょう)。長距離の場合には、地図を印刷して持って行くというのはちょっと難しいと思いますが、都市部で移動を行う場合には「安心のためのお守り」代わりにプリントアウトしておくと便利かもしれません。
ただこのサービスでも「この時間帯は遠回りした方が早い」と言われたら反論できないのですが。実現は難しいですが、時間帯を入力すると「この道が混雑する確率は○○%」のような情報まで出てくると良いですね。
これからはこんな「相手が本当のことを言っているかどうかを確認するために、検索エンジンを利用する」という使い方がもっと増えてくるかもしれません。そんな「安心感を与えるための検索サービス」が充実されるように期待しています。
はじめまして、村松@ブログビジネスファンドと申します。
いつも拝読させていただいております。
TBさせていただきました。
webが2.0化しようが、顧客視点のマーケティングの必要性に変わりは無く、その点でキャズム論の視点は有用だと思います。
投稿情報: ブログビジネスファンド | 2006/05/06 12:29
村松さん、コメント&TBありがとうございます。
キャズム理論は留学中に履修した"High-Tech Marketing"という授業で初めて習ったのですが、まさにハイテク製品/サービスのマーケティング理論として汎用性の高いものですね。『ライフサイクル イノベーション』も今月半ばに発売ということで、期待しています。
投稿情報: アキヒト | 2006/05/08 11:26