なんか以前も同様のアイデアを聞いたような気がするのですが、ページビュー(PV)に応じて、投稿したコンテンツから報酬が得られるコンテンツ共有サイトが登場したとのこと:
■ ITmedia News:YouTubeキラー? 報酬がもらえるコンテンツ投稿サイト (ITmedia News)
eefoof.com というサービス。仕組みは簡単で、eefoof.com 全体(セクションごとに集計)の広告収入を全体の PV で割り、個々のコンテンツの PV に掛けて算出された金額÷2をコンテンツ投稿者(すなわちユーザー)が手にできるというもの。残念ながら肝心の eefoof.com が落ちているので、詳細は分からないのですが、これが背骨となる発想と理解して良さそうです。また画像・動画だけでなく、Flash 作品も投稿できるという点が特徴ですね。
コンテンツ共有サイトで人気を集めるコンテンツがあった時、そこで発生した広告収入は果たしてサイト運営者が手にするべきなのか、はたまたコンテンツ投稿者が受け取る権利があるのか、以前から議論の的となってきました。従来はサイト運営者のみが利益を手にするモデルがほとんどですが、今回の eefoof.com は「折半型」と言うべきものでしょう。eefoof.com 以外にも、Seth Godin の Squidoo がこのモデルを目指しています(のはず --- スタート時にそんな話があったので)。
記事では「YouTube キラーか?」みたいな指摘がされていますが、果たしてどうでしょうか。確かに報酬が得られるのであれば、ユーザー(投稿者)は eefoof.com の方に流れていく可能性がありますが、どんなメディアも視聴者がいて成り立つものです。eefoof.com にアクセスして広告をクリックするユーザー(視聴者)が多くなければ、結局「はした金」しか得れないサイトになってしまいますし、お金は別にして反応が無くてつまらない -- からやっぱり YouTube にも投稿を続ける、のようなユーザーが多くなるような気がします。
また仮に爆発的なヒットとなっても、違法コンテンツのチェックをどうするつもりでしょうか?日本でも最近話題になった「例の化け物」のような事件が起きた場合、そのビデオ(仮にスプー×エヴァのように手が加えられた作品であっても)で報酬を得たユーザーに対して NHK が何らかの賠償を請求する -- などといった事態になる可能性があるのでは。となると、ユーザーが訴えられるのを恐れて、最終的に無難なホームビデオ系のコンテンツしかアップされないという寂しいサイトになってしまう恐れがあると思います。
ただ、『やわらか戦車』のように、Flash 職人と呼ばれる人々にとっては良い小遣い稼ぎの場になるかもしれませんね。または同人誌を書いているような人が、宣伝もかねて作品をアップするような場とか。そう考えると、コンテンツ共有サイトというより、クリエーターが自分の作品を「売る(金銭 and 評判)」ためのサイトとして位置付けたほうが成功するかもしれません(余計なお世話ですが・・・)。
< 追記 >
CNET Japan でも記事が出ていたのでリンク。
■ YouTubeに新たなライバル--映像の投稿で利益が得られるサイトが出現 (CNET Japan)
このEefoofのシステムを利用し、NBC Universalの人気番組「Saturday Night Live」のクリップを同サイトにアップロードすれば自動的にお金が転がり込んでくると考えている人はがっかりすることになるだろう。Eefoofは、他 人の著作物をアップロードした人には分配金は支払わないとしている。
ああ、やっぱり。当然ですが、違法コンテンツ対策が大変になりそうですね。そっちの内部体制がどうなっているのかの方が気になるかも・・・。
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