先週から気になっていたのですが、ダウンして書けずじまいだったことが1つ。先月末にスタートした、セブン&アイホールディングスの電子マネー「nanaco(ナナコ)」ですが、入会時に住所を記入しなくてもよくなっています:
当初、ナナコを発行してもらうには住所を書き込む必要がありました。他に名前・性別・生年月日・電話番号などの記入も必要で、セブン&ホールディングスはこれらの個人情報をマーケティングに活用するつもりでは、という観測がなされています。例えば All About でもこんな記事が:
■ nanacoモバイルは得か損か?(All About)
まぁセブン&アイがこんなデータを握ったら、マーケティングに活用しない方がおかしいですよね。ところがスタート後1ヶ月もたたない間での軌道修正。些細な変更ですが、申込書も刷り直しが行われていますし(住所欄だった部分に「お申し込みはこちらの用紙にご記入のうえ……」というメッセージが書かれている)、影響は少なくないはずです。
なぜ急に「住所はいらない」ということになったのでしょう。個人情報を取り過ぎることについて、現場から反対の声(もしくは客からのクレーム)が上がったのでしょうか?発行枚数が予想を下回り、急きょ敷居を低くする必要に迫られたのでしょうか?いずれにしても、申込書の刷り直しというコストをかけてまで「住所はいらない」という決定が下された背景には、何らかの見込み違いがあったのでしょう。セブン&アイ内でのナナコの位置付けは小さくないはず、従って十分な議論がし尽くされたはずですから、「変更が行われた」ということ自体がセブン&アイの企画力の低下を示す不安材料なのかもしれません。
さらに問題は、住所データがなくなることによって、セブン&アイが当初想定していたデータ活用法ができなくなるのではないかということ。日経ビジネスの記事では、上場初の減益を記録したセブンイレブンが、巻き返しの手段の1つとして期待しているのが「ナナコを通じた個客の購買動向の把握」だそうです。まだ氏名・生年月日・性別・電話番号など貴重な個人情報が入手できますから、ナナコは無意味になったなどということは全くありませんが、「どこに住んでいる人が○○店に買物に来ているのか」という情報が欲しかったから住所も含めていたはず。それが手に入らなくなるのですから、マーケティング担当者にとって後退であることは間違いないでしょう。
と、ふと気になったことについて書いてみました。そういえば熱でダウンしている間、イオンの「WAON(ワオン)」のCMは何度も見たのに、ナナコのCMは1回も見なかったような(そもそも存在しているの?)……。首の長いキリンをイメージキャラクターにした割に、スタートは若干迷走気味かも?
ウェブでの登録では未だに住所を必須項目として残ってました。
店頭は住所不要でもPCからの申し込みでは住所必須っておかしいですよね。
投稿情報: 迷いキリン | 2007/05/29 15:53