ということで、RTC Vol.28:『ブログ限界論』に参加してきました。感想などを少し。
全体的に見て、議論が若干拡散していたのが残念に思いました。主催のお二人、ゲストスピーカーのお三方それぞれ「ブログのどこが限界か」「その原因は何か/解決策は何か」についてお考えがあり、個々の意見には「なるほど」と感じるものが多かったのですが、全体としての流れはまとまらないまま。まぁ、パネルディスカッションなんて往々にしてそんなもんですが。
ということで、個人的に心に響いたことを書きたいと思います。話し合いの中で、ゲストスピーカーの佐々木俊尚さんがこんなことを仰っていました(※一字一句まで正確、ということではありませんのであしからず):
ブログのアクティブユーザーが減っているというのは現実の話。20代から下はケータイに吸い込まれてる。表現のプラットフォームがブログから移行しているのでは。
これを読んで、次の記事を思い出しました:
■ ブログは死にゆく技術か? (スラッシュドット ジャパン)
みな twitter やソーシャルブックマークのコメントなどに短くコメントを書くことで満足してしまい、ブログという形で考えをまとめなくなっているのではないか、という意見。根拠やデータが示されているわけではないので、本当にただの意見なのですが、前述の佐々木さんのお話と合わせると違う視界が開けます。ケータイの世界やSNS、ミニブログやはてブコメントなど、ブログ以外の「個人的意見発信ツール」が充実したことで、「ネットで意見を言うならブログ」という図式が崩れているのかもしれません。
と書くと、「ブクマのコメントやSNSの日記、10代の若者が書くケータイ小説なんてお遊びのようなもの。建設的な意見を表明する場ではない」と言われてしまうかもしれません。しかし、ブログもそもそも「ジャーナリズムレベルの記事を書く」などといった高尚な目的で流行ったものではないでしょう。数多くの人々が参加し、無数の「石」の中から「玉」が生まれ、その「玉」を見つける仕組みが(不完全ながらも)揃ったことでブログが今日のような状況にあるのだと思います。少なくとも、僕はモバゲーや魔法のiらんど等に深く関わったことがないので、こうした世界には意味の無い情報発信ばかりだと言い切ることはできません。日本では「ネット選挙」や「ブログ政治」を飛び越して、「ケータイ政治」が行われる可能性がある、などという意見は妄想でしょうか?
これも佐々木さんの発言ですが、「PCの世界とケータイの世界は断絶されていて、お互いを知ることがない」といった発言をされていました。もしかしたら、「ブログを盛り上げるため」ではなく「ネット(ケータイからのアクセスを含む)の世界での個人による情報発信を盛り上げるため」には、ブログ・ケータイ・SNS etc.全ての世界を横断し、それぞれを結びつけることができる人 or 技術が必要なのではないでしょうか。そんなことが可能かどうか、は分かりませんが。
いや、「ネットで情報発信と言えばブログ」という考えに凝り固まっていた僕は、「実はブログ以外の世界は既につながっていて、大きな動きが置きつつあるのかもしれない」という危機感すら感じました。ブログは限界かもしれないけど、実は限界なのはブロガーであって、SNSッサー(仮称)やモバイラー(仮称)は大きな将来性を感じているのかも。
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