Facebook に"Honesty Box"(正直の箱)というアプリケーションがあることを、New York Times の記事で知りました:
■ If You Don’t Have Anything Nice to Post ... (New York Times)
実は去年6月からあるアプリケーションなのですね。TechCrunch Japanese で解説記事が出ています:
■ Honesty Box―Facebookで正直になろう (TechCrunch Japanese)
内容は簡単で、友人達との間で匿名のメッセージをやり取りできるというもの。送られてきたメッセージには当然ながらユーザー名は表示されず、男性・女性だけが分かるようになっています。また自分の Honesty Box には質問メッセージを掲げることができ、「私のこと、本当はどう思ってる?」「新しい髪型、本当はどう思う?」などと問いかけることが可能。匿名なので気兼ねせず意見を言うことができ、他人の正直な気持ちが分かる――という仕組み。
とこれだけのアプリケーションなのですが、約450万人のユーザーが利用していて、Facebook のアプリの中でメジャーなものの1つだそうです。この「匿名メッセージ」の中に登場する単語で多いのは"love"で、冗談半分で使われることが多いのだとか。
しかし問題点もあります。「匿名」ということで想像した方も多いと思いますが、中傷メッセージを送るのに使われてしまうという点です。実際に Honesty Box がいじめに利用され、「誰もお前のことなんか好きじゃないんだよ」というメッセージが送られたりしたのだとか。この辺は日本でも「ネット匿名害悪論」的なものが盛んに訴えられているので、どんな問題が起きるかは想像に難くないのですが、Honesty Box のロゴ(このエントリの最上部)が示している通り「天使にも悪魔にもなりうるアプリケーション」というところでしょうか。
ということで問題も大きいアプリケーションですが、450万人もの利用者がいるほどの人気なわけですし、なんらかの悪用防止機能を組み込んだ上で(※ちなみに Honesty Box では、不愉快なメッセージを送りつけてきたユーザーから二度とメッセージを受け取らないようにすることが可能だそうです)日本のSNS系サービスで導入されても面白いかも。「片思いのあの人に、こっそりと想いを告げる」「面と向かっては言えない応援メッセージを送る」なんてね。しかし「ネット実名制を導入せよ!」と訴えている人たちからは、また非難の対象になってしまうでしょうか。
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