というわけで、お伝えした通り「AMNブロガー遠足会」、もとい「シングルモルトウイスキーセミナー(サントリー白州蒸溜所)」体験イベントに参加してきました(サントリーの公式ブログの1つ「サントリートピックス」でも紹介記事が上がっています)。今回は妻とクマ同伴です。
※ちなみに通常はセミナー参加料が必要で、現地まで自分で行かなければならないのですが、今回はサントリーさんのご厚意で参加費無料・新宿からバス送迎付き・昼食付きというイベントでした。ありがとうございます。
ビールや日本酒、ワインなど他のアルコール類に比べ、少し近寄りがたい感じがするウイスキー。買ってきてそのまま飲む、ということができないのと、「オヤジの酒」(失礼)というイメージがあるせいか、嫌いではないのですがあまり口にする機会が多くありません。今回はそんなウイスキーを詳しく解説してくれるイベント、しかも蒸溜所というまさにウイスキーが作られる現場で、とのことで大きな期待を胸に行ってまいりました。
白州蒸溜所は山梨県にある工場で、南アルプスが間近に迫る森の中にあります。当日はあいにくの曇り空で、また本格的な春まではまだ2週間ほどかかる、とのことで大自然を楽しむ……という程ではなかったのですが、「これが工場?」と思うほど豊かな自然の中にありましたよ(次回はぜひ初夏に行ってみたい……)。敷地内にはバードサンクチュアリもあるそうなのですが、入り口を入ってすぐのところにこんな巣箱がありました。地元の子供達が作成したものだそうです:
今回のイベントは、サントリーさんが一般向けにご用意されている「シングルモルト探求セミナー」の中の『時が育むシングルモルトの魅力講座』をブロガー向けに開催する、という内容。前半は工場見学、後半は実際のウイスキーをテイスティングするという構成でした。
まずは工場見学。最初に訪れたのは、仕込みから蒸溜までを行う部分です。いやぁ、さすがにウイスキーの工場だけあって、一歩足を踏み入れただけで甘い香りが!建物の中にウイスキーの香りが充満していて、僕はそれだけで酔っぱらってしまいそうだったのですが、妻はぜんぜん平気な様子。気を取り直して、皆さんの後をついていきました。
写真は蒸溜を行うためのポットスチル(釜)。「ストレートヘッド」と「ランタンヘッド」の2種類があるそうで、実際に一番手前の釜では蒸溜が行われている最中でした(写真では小さく見えますが、かなり大きい装置でしたよ)。この辺は「工場萌え」ではないですが、機械を見ているだけでワクワクしてきます。なんだか社会科見学に来た気分。
次に訪れたのは「リチャー(Rechar)」を行う場所。蒸溜が終わったら樽に入れて熟成、となるのですが、樽は使っていくうち熟成力が弱まってしまうのだそう。で、30~40年使った樽の内面に火を通し、熟成力を再生させる作業が「リチャー」。それを実際に見せていただきました:
何の変哲もない樽が一つと、オジサン(失礼)が一人……これがこうなります:
ここでまた甘い香り。ますます「早く実物が飲みたい!」という気分が高まります(趣旨から外れてきました)。
で、最後に訪れたのが熟成中の樽の貯蔵庫。普段は撮影禁止の場所だそうなのですが、特別に撮影を許可していただきました:
写真に写っているのは一部だけで、実は高い天井近くまで樽が積み上げられており、さらに床の下にも空間が広がっています(ちょうど天井と床の中間にある通路に立っている感じ)。こんな貯蔵庫が20箇所ほどあり、十年、二十年と熟成のときを待っているわけですね。
こちらは「オーナーズ・カスク(Owner's Cask)」が貯蔵されている場所。オーナーズ・カスクとは文字通り個人が丸ごと所有している樽で、一般の貯蔵庫とはガラスで区切られています(よく見ると、樽にオーナーのサインが書かれているのが分かるでしょうか)。通常、市場に出荷されるウイスキーはランクに応じて数十~数百の樽から混ぜ合わせてつくるそうなのですが、オーナーズ・カスクの場合は自分の樽の中にあるウイスキーだけが瓶詰めされます。ただしお値段は50万~3,000万円(白州の場合最高は2,600万円)ナリ。
さて、さんざん焦らされてきましたが、工場見学が終わってようやくテイスティングの時間になりました(って、テイスティングを先にしたら酔っぱらって工場見学どころではなくなってしまうのですが)。今回試飲させていただけるのは、白州の10年・12年・18年と、山崎の10年・12年・18年の計6種類!しかもおつまみ(お菓子)付き!
いやぁ、これだけ酒が飲めるテイスティングできるなんて感激です。しかもこれだけでなく、最後に「すごいハイボール」の作り方も教えてくれて試飲できたので、計7杯もウイスキーが飲めましたよ。
試飲に先立って、改めてウイスキーとは何かという話と、白州・山崎それぞれの蒸溜所の特徴と、そこでつくられるウイスキーの特徴について解説していただきました。パワポのプレゼンを見ながら酒を飲む、なんか不思議な感覚です。
ちなみに写真に写っているのは山崎の18年。白州に連れてこられていながら何ですが、個人的にはこの山崎18年が一番おいしく感じました。さすがに色や香り・味を文章で表現できるほどウイスキー通ではないので、どんな味だったか再現はできないのですが、蒸溜所と熟成年数の異なる6種類を並べられると確かに違いがあるのが分かります。正直ウイスキーを銘柄や熟成年数にこだわって買ったことは無かったのですが、これからはよく選んで飲んでみようと思います。
ちなみにテイスティングする際は、ウイスキーと水が1対1にすると味や香りが最もよく分かるそうです。プロの方もそうされているとのこと。またおつまみとして黒豆・かりんとう・月餅・おかき・アーモンド菓子などをご用意いただいたのですが、こうした和菓子がウイスキーによく合うことも驚きでした。正直、最初見た時は「ウイスキーに黒豆?かりんとう?」と思っていたのですが、これが最高!ウイスキーが進むこと進むこと……。テイスティングが終わるころには、すっかり顔が赤くなっていたのでした。
というわけで、ウイスキーを深く知るために行ったんだか、酒を飲むために行ったんだか分からなくなってしまいましたが。前述の通り、日本酒やワインなどに比べて情報に触れる機会が少ないのがウイスキーだと思います。正しい知識を得ることで、何倍もおいしく飲めるものだということを実感しました。例えば僕は「ウイスキーは冷蔵庫に入れると成分の一部が凍結してしまい、味が変わる」というのを知らなかったのですが、それを知っておくだけで「高価なウイスキーをもらったのに、冷蔵庫に入れてダメにしてしまった」ということが避けられるでしょう。白州という場所で開かれる、という部分も重要だと思うのですが、都内などで会社帰りにふらっと参加できる……みたいな形式で開催してくれても嬉しいかな、と感じました(追記4参照)。
もちろんお時間のある方には、白州まで訪れて参加する価値は絶対にある、とオススメしますよ。前述の通り、これからは工場周辺の散策にも良い季節になるのでは。詳しい解説は白州蒸溜所のホームページにありますので、ご確認下さい。
< 追記1 >
ちなみに、今回のイベントでブロガーにウケていたのが「すごいハイボール」。キーワードになりそうなので、オマケに作り方の書かれたスライドを掲載しておきます:
ちなみにソーダをまぜる前に、氷+ウイスキーだけで10回ほどステアすると良いとのこと。グラスが冷えて、氷が溶けにくくなるそうです。これ、おいしかったですよー!
< 追記2 >
ululun さんが詳しいレポートをアップされています。ぜひこちらもどうぞ:
■ サントリー「時が育むシングルモルトの魅力講座」体験イベントレポート 「すごいハイボールの作り方」付き (煩悩是道場)
それに先立つほど2時間前、はるちーさんもレポートをアップされています。僕が確認した限りで、この記事が一番早いかも(えふしんさんのライブ画像投稿は別にして|僕も撮られてましたw|それから[g]ぐうたりんさんでもライブ投稿が)
■ 白州蒸溜所へGO! (はるちー備忘録blog)
私、思いっきり場違いっ。
「ザクティ」って何?何?
なにやら会場が盛り上がっているのですが、私には言葉がワカリマセーン(涙)。
ついでに「はてな」って何?
おそらく何のことかわからなかったのは私1人だけだと思う……。
いえ、うちの妻も分かっていなかったですのでご安心を。っていうか分かっている人々の方が特殊だと思うので、AMN的にもはるちーさんのような方々が参加されて喜んでいるはずです。ぜひ他のイベントにもご参加をー!
< 追記3 >
「ギリギリムサビ通信」でもレポートが上がっていました:
■ ウイスキーはアートだった! (ギリギリムサビ通信)
実は白州まで行かなくても、都内でもこんなイベントが開かれているのですね。知らなかったです:
■ 大盛況! (世界一旨いウイスキーを飲ませるBAR)
こんにちは。29日はお疲れ様でした。
ご一緒に参加させていただいたはるちーです。
リチャーの動画が素晴らしいです!
こちらのブログで取り上げていただき恐縮しております(汗)。
お呼びじゃない者がまぎれ込んでしまいましたが、
暖かいお言葉に感謝!です。
ザクティを知るなど非常に勉強になるイベントでした。
投稿情報: はるちー | 2008/03/31 20:53
はるちーさん、コメントありがとうございます。
先日はお疲れ様でした!
> お呼びじゃない者がまぎれ込んでしまいましたが、
> 暖かいお言葉に感謝!です。
いえいえ、本当にブロガーイベントはどなたが来ていただいても全然OKだと思いますので(というよりいろいろな方々がいらっしゃった方が面白いと思いますので)これからもぜひご参加下さい。またどこかのイベントでご一緒できることを楽しみにしております。
投稿情報: アキヒト | 2008/04/03 15:31