相変わらず New York Times がいろいろな「見せ方」を実験しているのでご紹介。そもそもここで紹介した New York Magazine の記事で取り上げていたのが、以下の"What One Word Describes Your Current State of Mind?"というコーナーだったわけですが:
これはオバマ候補支持/マケイン候補支持(昨年11月の大統領選挙直後からスタートしたコンテンツです)を明確にした上で、「現在のあなたの心境を示す言葉」を1つ選んでもらい、オバマ支持者が選んだ言葉を青・マケイン支持者が選んだ言葉を赤で示すというもの。で、タグクラウド同様、選ばれた回数が多い言葉ほど大きく表示されるという形式になっているのですが……上のスクリーンショットにも現れている通り、オバマ支持者が「誇りに思う」「ぞくぞくしている」などといったポジティブな単語を選んでいるのに対して、マケイン支持者は「不安を感じる」「失望した」などネガティブな単語を選んでいることが分かります。
で、最近オープンした以下のページも、同じように「読者の声」をユニークな形で現したものです:
米国の14州(民主党が強い7州+共和党が強い7州)で200名以上の人々に「オバマ政権に何を望みますか?」という質問をし、その答えをカテゴリー毎に整理、「私もそう思う(これが重要課題だと思う)」と感じるカテゴリーに投票ができるというもの。アクセスすると、以下のような画面になると思います:
人々の上にフワフワと浮いているのが、「オバマ政権に取り組んで欲しい課題カテゴリー」なわけですね。ちなみに右上の"By Popularity"というボタンを押せば、以下のように人気順にソートされます:
で、個々の課題をクリックすると、インタビューを受けた人々がどんなことを言っているのかが分かります。以下は試しに"Education"を選択したところ:
ここで画面中央付近に表示されている"I Hope So Too"という青いボタンを押せば、このカテゴリーに1票投じられるという仕組み。「世論調査」とまで言ってしまうと大げさかもしれませんが、こういった形で「人々はどんなことを考えているのか?」を見える化してくれるというのもなかなか面白いです。
実はかつて、日本の新聞における読者投稿欄は、非常に活発で魅力的なコンテンツだったと解説する本を読んだことがありました;
■ 明治時代のウェブサイト (シロクマ日報)
意外にも明治時代の日本の新聞は「双方向」とも呼べるような性格を持っていたのですね。もちろん現代と明治時代を単純に比較することはできませんが、新聞の原点に当たる時代に、読者投稿欄が重要な意味を持っていたというのは注目すべき点だと思います。そして New York Times が"What One Word ..."や"I Hope So Too"でやろうとしているのは、この「読者も巻き込んで(紙/WEBの)新聞という場を盛り上げる」ということの復活ではないでしょうか。
いずれにせよ、New York Times からはまだまだ様々なアイデアが出て来そうです。特にこの"Multimedia"欄は注目しておくと良いと思いますよ。
コメント