SNS型サービスを見ると分析してみたくなるのが人の常、なのかもしれませんが、Twitter もその例に漏れないようです。既に様々な分析が行われていますが、この度 Hewlett-Packard Laboratories と Cornell University が協力して、約31万人分の Twitter ユーザーの関係が分析されたとのこと:
■ Exploring Twitter Ties (Wall Street Journal)
ちなみに元論文へのリンクはこちら:
■ Social Networks that Matter: Twitter Under the Microscope (Social Science Research Network)
で、どんな事実が見つかったのかという点ですが、まずは投稿数とフォロワー数などの平均について(元論文から引用しています):
Our data set consisted of a total of 309,740 users, who on average posted 255 posts, had 85 followers, and followed 80 other users. Among the 309,740 users only 211,024 posted at least twice. We call them the active users. We also define the active time of an active user by the time that has elapsed between his first and last post. On average, active users were active for 206 days.
私達のデータセットには30万9,740人の Twitter ユーザーが含まれており、彼らは平均でこれまでに255個の発言を投稿、フォローされている数は85人で、フォローしているユーザー数は80人だった。30万9,740人のうち、2回以上発言しているのは21万1,024人のみだった(このユーザーを私達は「アクティブユーザー」と呼ぶことにする)。またアクティブユーザーの最初の発言と最新の発言の間の期間を計ったところ、平均で206日となった。
もちろん「平均」だけでは分布が分かりませんから、地域や性別、職業などでフォロワー数の多い/少ない、発言数の多い/少ない等の傾向があると思います。また何らかの数値との比較ではなく、単なるスナップショットじゃコメントしようがないとも思いますが、ご参考まで。個人的には、最初の発言と最新の発言の間(つまりユーザー登録してから経過した日数の近似値)が206日というのは結構長いな、という印象を受けました。もっと最近登録したばかりのユーザーが多いのではと思っていたのですが、平均で半年以上ということは、長く使い続けているユーザーが少なくないということかもしれません。
ちなみに今回サンプルとなった全投稿数のうち、特定のユーザーに向けた「@付き発言」は25.4%だったとのこと。つまり4回に1回は誰かと交流しているわけで、これも個人的には「意外と多いかも?」という印象だったのですが、どう思われるでしょうか。
さらに以下のグラフは、元論文で図2として掲載されていたもの。この論文では、単にフォローしているだけでなく「2回以上その人物に対して@付き発言をしたユーザー」を「友人」と定義しているのですが、以下のグラフは縦軸に発言数、横軸に友人数を置いたもの。これを見ると、発言が増えれば増えるほど、「友人」の数も増えていることが分かります:
まぁ長く使っていれば交流する人も増えて当然なのですが、興味深いのはグラフの傾きが途中で鈍っていないこと。ちなみに Twitter は直近の3,200発言しか表示しないため、3,201以上の発言を行っているユーザー(全体の0.4%だったとのこと)については傾向が見えないのですが、少なくともその辺りまでは「発言すればするほど友達が増える」のが Twitter であると。
個人的な経験には、この傾向は当てはまっていると思います。最初は「こんなつぶやきばかりで何が面白いんだろう?」と思っていたのが、だんだんと他の方々と発言を交わせるようになり、気づいたらついつい書き込んでいるというような感じで。もちろん賞味期限切れというか、味が薄くなることはあるはずですが、とりあえず始めたばかりの人にとっては「噛めば噛むほど味がでる。それが Twitter」ということではないでしょうか。
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