国際テロ組織アルカイダのリーダー、ウサマ・ビン・ラディンが米軍の襲撃によって殺害されるという衝撃的なニュースが飛び込んできてから一夜。様々な裏話が出てきていますが、事件が起きたパキスタン・アボタバードの町から、(そうとは知らずに)襲撃の一部始終を現場からTwitter中継していた男性の話などはその最たるものでしょう(初耳だという方はこちらの記事をご覧下さい)。Sohaib Atharという名のこの男性の行為は、Twitterの速報性と普遍性を示す新たなケースとして、様々なところで話題になっているようです。
ところがこの話には続きが。実はその後、世界中から注目を集めていることを悪用してやろうと、Athar氏(正確には彼のブログ)がハッカーの標的にされていたそうです:
■ Hackers Hit Guy Who Live-Tweeted Bin Laden Raid (Gawker)
Athar氏の開設していたブログがハッキングされ、マルウェアを仕込むためのコードが密かに書き加えられていたとのこと。事件後に彼のTwitterアカウント(@ReallyVirtual)のフォロワーは10万人に迫る勢いとなっており、さらにメディアからの取材攻勢も殺到しているそうですから、この狙いはなかなか狡賢だと言えるでしょう。
念のため、彼のブログへのリンクは貼らないようにしておきます(詳細はこちらの記事で確認することが可能)。しかし発見された以上、犯人は別の手段を考えてくるはずですから、リスクが嫌ならば皆の関心を集めている話題は避ける――すなわちビン・ラディン関係のニュースを伝えるウェブサイトにはアクセスしないようにするしかなさそうです。
そんなの心配しすぎ、と言われてしまうかもしれませんが、実際にFacebook等では「ビン・ラディン殺害のシーンを収めたビデオ!」という触れ込みで危険なリンクを踏ませるスパム行為が登場しているようです。こういった「世間の関心を集める話題に乗じて犯罪行為を行う」というのはずっと前から存在していたテクニックであり(マイケル・ジャクソンが亡くなった際や最近の東日本大震災絡みでも見られましたね)、さらに言えばオンライン/オフラインを問うものではありません。とりあえずここ数日は、ビン・ラディン関係の話に近づく際には十分に警戒しておいた方が良いかも。
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