3Dプリンタに期待されるメリットの1つに、いつでも・どこでも必要なものが手に入るようになるという点があります。それを応用して「戦場の最前線で必要な備品類を製造する」という取り組みを米軍が行っていたりするわけですが、実はお馴染みのNASAも非常にユニークな3Dプリンタの活用法を研究しているのだとか:
■ 3D printer on moon or Mars could make tools from local rocks (CNET)
3Dプリンタを宇宙探査で使おうという話なのですが、ユニークなのは原材料の調達方法です。いくら3Dプリンタでいつでも・どこでもものづくりが可能になったとしても、もととなる原材料がなければ何も作れません。そこでNASAでは、月面探査あるいは火星探査を想定し、周囲に転がっている岩石などを原材料に使うことのできる3Dプリンタを研究中とのこと。
既に研究者らは月面の表土に似せた素材をNASAに提供してもらい、それを使って簡単な構造物を作ることに成功したそうです。で今度は火星の表土に似せた素材でチャレンジする予定だそうで、順調に技術の実用化が進めば、宇宙探査のコストを下げることに貢献するだろうと期待されています。前述の戦場のケースでも指摘されていたのですが、複雑な機械類の製造は難しいとしても、単純な部品類が現場で調達できるようになるだけで随分状況が変わるのだとか。
こうした技術は何も月や火星でだけ価値があるというわけではなく、例えば被災地支援のような場面でも有益なのではないでしょうか。あまり根拠のない未来を空想してもいけないのですが、例えばペットボトルのようなものをリサイクルして、原材料の入手が難しい場面でも活躍する3Dプリンタなどというものを期待したいところです。そのうち遊ばなくなったオモチャを構わず放り込むと、そこから新しいオモチャを製造してくれるマシンが登場したりして(笑)
3Dプリンタの社会的影響を考える―英国の政策レポートをもとに 小林 啓倫 2012-11-15 売り上げランキング : 56 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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