iPodを売る自販機が登場、というニュース。Appleの販売戦略の巧みさがうかがえる記事です:
iPod、自販機でも販売中(ITmedia ニュース)
言うまでもなく、チャネル戦略を考えるのはマーケティングの基本です。玩具会社が製菓会社と提携して「玩具菓子」という形で玩具をコンビニに流通させることにより、新たな収入源を得たというのも、1つの成功したチャネル戦略の例でしょう。
しかし精密機械を自販機で売るというのは、大胆な発想の転換ですね。「iPodを買った後で気が変わった場合は、Zoom Systemsに郵送で返品して返金を受けられる」という保証も付け、精密機械を自販機というチャネルに乗せるための工夫が施されています。
またこの方法が巧みなのは、国際空港で売り出しているという点。「iPodはよくプレゼントとして購入される」と記事中で指摘されていますが、アメリカを出る人/来た人が旅行のお土産としてiPodを購入する可能性があります。iPodが何のために売れるのか、それはどういったタイミングなのかを十分に考え、最適なチャネルを厳選するという姿勢が感じられます。
以前通っていたB-Schoolの授業で、「空港に出店したレンタルDVDチェーン」というケーススタディを行ったことがあります。このチェーン店の狙いは、「飛行機での移動中に時間をもてあます人をターゲットにしよう」というもので、「出発地の空港でDVDを貸し出し、目的地の空港にある店舗で返却してもらう、必要ならばDVDプレーヤーも貸し出す」というモデルを編み出していました。今回のiPodのニュース、これに近い発想を感じます。
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