TechCrunchで新しい検索エンジンが紹介されていました。その名もWink。首尾よくベータテストのアカウントが取れたので、1日使っただけのレビューを。
Psst…Want in to the Wink Beta? (TechCrunch)
Winkの詳細なレビューはこちら:Wink - People Powered Search (TechCrunch)。"People Powered Search"というタイトルからも分かるように、検索エンジンにソーシャル・ネットワークの機能をミックスしたようなサービスです。特徴を羅列すると:
- 検索エンジンには、GoogleとWikipediaを使用。SERP(検索結果表示ページ)には、AdWords広告が表示される。
- SERPに表示されたリンクにタグ付け、レーティング(5ッ星)ができる。当然タグで検索が可能(他のユーザーが付与したタグも対象に含めることができる)。
- 入力したキーワードに対して、"concept"、"See Also"、"index"という記事が追加できる。"concept"はWikipediaのような機能で、キーワードの内容説明を書くことができる。"See Also"はそのキーワードに関連するキーワードを設定する機能で、設定されたキーワードをクリックすると即座にその単語で検索してくれる(下図参照:クリックで拡大)。
また"index"は異義語がある場合に、簡単な説明と共に限定条件を示してくれる機能で、例えば"ajax"で検索するとこんな感じになります(クリックで拡大):
- キーワードとそれにマッチするリンク先をグルーピングして"My Search Set"として登録しておける。"My Search Set"にもタグ付けが可能。また他人のSeach Setを確認することもできる。他人のSearch Setを「お気に入り登録」することも可能。
- 他人のMy Search Set、お気に入り登録しているSearch Setなどは、"My Search Guide"として閲覧できる。例えばこんな感じ(クリックで拡大):
- SERPでのリンク先の表示順については、ユーザーの登録状況、レーティングでの評価などを加味して決定しているらしい。
- スパムブログについては、レーティングで「禁止」を指定することによって表示させないようにできる。また「禁止」されたサイトはスパムと評価され、SERPで下位に表示されるようになるらしい。
ざっとこんな感じ。まだ追加される機能があるようですし、ベータテストですから機能の詳細についてはこれくらいにします。
「検索結果をみんなで共有しよう」というアイデアは、Winkが初めてではないと思います。ちょっとすぐに名前を挙げられないのですが、例えば検索結果をレーティングしましょう、スパムはフラグを立ててみんなで報告しましょう、っていうアイデアは以前から聞きますよね。
また使ってみると分かるのですが、どことなくWikipediaのような雰囲気を感じます。"concept"なんかはみんなで編集できるし、"My Search Set"にも簡単な説明文が追加できるので、「個人編集版Wikipedia」みたいなものも作れます。Tag機能があるのでdel.icio.usのようなサービスを目指しているようにも感じますが、僕はどちらかと言うと「みんなで検索結果を持ち寄って、優れたポータルサイトを造りましょう!」っていうようなメッセージを感じます。ちょっと語弊があるかもしれませんが。
GoogleがPageRankという概念で機械的にSERPでのリンク表示順を決めようとしているのに対して、こちらは人間が集団で何が良いか・何が悪いかを判断して、それを結果に反映しようとしているのだと思います。また優れた"My Search Guide"を作るユーザーが現れれば、例えば「Web 2.0に関するサイトならMichaelのGuideを見れば良い」という風に、「ネット司書」とでも言うべき役割が生まれてくるのではないでしょうか。
他のベータアプリケーションと同様、使い勝手はすごく悪いですが、検索エンジンの1つの方向性として注目しても面白いと感じます。
Technorati Tags: search engine, wink, google
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