ある技術が普及するためには、その技術ができるだけ一般人にも分かりやすいものになる必要があります。極端な例ですが、例えばGUIが発明されずにコマンドラインによる操作だけだったとしたら、PCがここまで普及することはなかったでしょう。最近の例で言えば、RSSリーダーが非常に便利なアプリケーションであるにもかかわらず一般に浸透していないのは、無機質な3文字のアルファベットやRSSフィード登録の難しさなどに原因があると思います。
ところで僕がブログについて解説するときに、必ず説明に困る技術がRSSの他にもう1つあります。それは「トラックバック」。僕の説明が下手という理由もあるのですが、実演を絡めないと、なかなかトラックバックとはどういう機能か理解してもらえません。
そんな悩みをかかえているのは、僕だけではないようです。去年の大晦日、朝日新聞の記事にこんな一節がありました:
ネット選挙 政治を変える--双方向性、活性化に期待(朝日新聞朝刊2005年12月31日第3面)
ただ、不安もある。公明党は衆参議員7人の「議員ブログ日記」を公開中だが、閲覧者のコメントの書き込みやブログ同士の接続の機能はつけていない。
「ブログ同士の接続の機能」とは、明らかにトラックバックのことです。この記事を書いた記者の方は、「トラックバック」という言葉を使うか使わないか、使わないとしたらどう説明するか、きっと悩んだことでしょう。あえて「トラックバック」という言葉を使わなかったのだと思いますが、僕はこの決断は正しかったと思います。使っていたとしたら、たとえ説明文の方を理解したとしても、「なぜそれがトラックバックという名前で呼ばれるんだろう」といった余計な混乱を招く恐れがあったでしょう。
いっそのこと、トラックバックという呼び方はやめて「リンク通知機能」とでもしたらどうでしょうか。または朝日新聞の記事に倣って、「記事連携機能」とか。特に社内ブログなど、ユーザーに必ず使ってもらう必要があるブログシステムについては、トラックバック・RSSについては名称を変えた方が良いと思います。些細なことかもしれませんが、ユーザーの心理的な抵抗感を無くすという意味においても、名前の持つ力を無視することはできないでしょう。
もしかしたら、そもそも「個人のWEB日記」というイメージが強い「ブログ」という言葉も、社内ブログにおいては使わない方が良いのかもしれませんが。
あけましておめでとうございます。
議員ブログには、「個人のWeb日記」ではなく、議員としての「Web公開業務日誌」つまりブログを希望します。ぜひ議員ブログ同士でTBして討論を重ねる過程を読んだり参加したいですね。
議員さんは住所や電話やメルアドが公開されているので、意見はそこから言えばいいと思います。
テレビ番組やラジオ番組と同じ「放送」と思えば気にならないと思うのですが。
投稿情報: itochan | 2006/01/01 12:20
あけましておめでとうございます。
おっしゃる通り、議員ブログには議論を期待したいですね。そこに市民も加わる形が実現できれば、いわゆる「ネット民主主義」のようなものが現実に近づくと思います。
しかし日本の政治家に、他の政治家や市民と「言い争い」はできても「議論」ができる人が何人いるかと思うと・・・暗い気持ちになります。ゴーストライターならぬ、ゴーストブロガーも増えるのでしょうね。
投稿情報: アキヒト | 2006/01/02 02:39