今日の日経産業新聞のトップニュース。アップルの元CEOらが創業したベンチャーが、「最適の連絡方法を自動選択する」というサービスを開始したとのこと:
IP電話・携帯電話・ネット 最適の連絡方法 自動選択 -- 米テローが新サービス アップル元CEOら創業のベンチャー(日経産業新聞2006年2月28日第1面)
記事のタイトルが内容をほぼ全て表していすのですが、概要を箇条書きにしておくと:
- アメリカのベンチャー企業「テロー(Tello)」が始めたサービス。
- 同社が開発したソフトウェアをPCにインストールして使う。現在は試験版を無料配布中だが、6月以降は正式なサービスとして、一人当たり年間30ドルを課金する予定。
- 連絡を取りたい人のIP電話と携帯電話の番号、IMのアドレスを登録すると、どの通信手段で連絡が取れるのかが画面上に表示される。
- ソフトはPCやモバイル機器との間で情報共有する機能も持つ。例えば電話会議に使った場合、あるPCで開いたプレゼン資料を、別のPCやスマートフォンでも同時に見ることができる。
こんなところです。またTelloを創業したのが、「あの」ジョン・スカリー氏(アップルの元CEO、自らをスカウトしたスティーブ・ジョブス氏をアップルから追放し、後に自身もCEOを解任されてしまったことで有名)ということでも話題を呼んでいるようです。またIP電話大手のボネージ共同創業者のジェフ・パルバー氏、マッコー・セルラー創業者のクライグ・マッコー氏、投資家のマイケル・プライス氏といった「ハイテク業界の大物」も出資しているとのこと。
創業者が誰かはともかく、面白そうなソフトです。残念ながら登録申請中のため、実際のソフトを確認したわけではないのですが、記事で紹介された通りの機能であれば非常に便利なのではないでしょうか。以下はTelloのサイトで紹介されていたソフトのスクリーンショットなのですが、左サイドにIM/IP電話/携帯電話のオンライン状況が表示され、右サイドでチャットができるようです(クリックで拡大):
個人に対する課金の他に、シスコやアバイヤなどと営業協力し、企業がIP電話を導入する際の付加サービスとして売り込むことを計画中とのこと。この辺りは「大物」が創業しているだけあって、将来のビジネスモデルを粛々と考えているようです。
確かに固定電話だけでなく、メール、チャット、IP電話、モバイルと様々なコミュニケーション・チャネルが増えることにより、逆に「どのチャネルを使えばいいのか」という混乱が生じることになりました。メッセージを伝えたい相手がいまどの手段なら捕まえることができるか、また相手がどの手段を使って欲しいと思っているのかが簡単に分かれば、コミュニケーションの質と効率を同時に上げることができるでしょう。Telloのソフトがどこまで使えるものかは分かりませんが、良いアイデアではないかと思います。
イメージ的には(僕個人のイメージかもしれませんが)、IMのログインステータスが進化したような感じでしょうか。将来は会社のPC一台一台に、こんな表示が現れているのかもしれません:
携帯電話にSMSとかメールする っていう選択肢は考えてないのかなぁ。確かに携帯メールはたまに遅延するけど…
あんまりいいアイデアとは思えないです。
投稿情報: itochan | 2006/02/28 15:16
確かにこのサービス、メールが統合されてないんですよね。その点を突かれると痛いのですが(別に自分が運営してるサービスじゃないけど)。将来に期待、でしょうか。
投稿情報: アキヒト | 2006/02/28 15:20
カレンダー・サービスと連携が取れると面白そう。午前中は会議。会議中は「緊急の用件のみ IM で受付」。3 時から 30 分休憩。その間は携帯 OK。みたいな設定ができると楽かなぁ。
投稿情報: @aka | 2006/02/28 16:03