「格差社会」という言葉が独り歩きを始めそうになっていますが、今朝の日経新聞によると、 スーパーTC(ツアーコンダクター)が添乗することを売りにした高価格パックツアーを、ジャルパックが販売開始したとのこと。
ベテラン添乗員 海外ツアー同行 -- ジャルパック 欧州、北米など31コース (日本経済新聞 2006年3月8日 朝刊第35面)
ウェブ上にプレスリリースがあったので、リンクしておきます:
ジャルパック、旅慣れた方向けにスーパーTCと行くツアー「世界紀行」を発売(日経プレスリリース)
記事によると、ジャルパックが顧客アンケートの評価を基に「スーパーツアーコンダクター」 を独自に認定し、彼らが添乗するパックツアーを「世界紀行」と銘打って販売するそうです。欧州や北米、アジアなど計31コースを用意し、 今秋までに計1,000人の集客を見込んでいるとのこと。ツアー料金は高めながら、 利用客は経験豊富で接客力のあるスーパーTCに同行してもらえる、というメリットがあるわけです。
パックツアーに参加したことがある人なら、 ツアコンのレベルで旅の感想が大きく変わってしまうことはよく分かるでしょう。特に個人旅行に慣れていない人は、 旅行のあいだ頼りになるのはツアコンしかいません。「高くなっても質の高いツアコンに添乗して欲しい」というニーズは、 けっこうあるのではないでしょうか。
で、この記事のタイトル「SSB(スーパーソーシャルブックマーカー)」ですが、 僕はパックツアーとソーシャルブックマークが似ている部分があると思います。ネットサーフィン(古い言葉ですが)を旅に例えると、 独りで見所(価値のあるサイト/コンテンツ)を探して出かける人もいれば、誰かに見所を教えてもらって、 さらに連れて行ってもらう人も多いでしょう。自分が信頼している人のブックマークを見て、その人が「良い」 と判断しているコンテンツを見に行くことは、 いわばブックマーカーがツアーコンダクターの役目を果たしていると例えられるのではないでしょうか。
そこで考えたのですが、例えば「はてな」 やdel.icio.usなどで多くの人からお気に入り登録されていたり、 ブックマークRSSフィードの購読者数が多かったりするブックマーカー--すなわちスーパーソーシャルブックマーカーが、 自分のブックマークを売ることはできないのでしょうか?仕組みはいろいろと考えられると思いますが、 要は自分のコンテンツ収集能力を売りにするわけです。ユーザーはあたかも経験豊かなツアコンに導かれるように、効率的に見所 (価値あるコンテンツ)を回ることができます。SBBは一人でも、グループでもかまいません。「このブックマークを見れば、 最近のWeb2.0動向が一瞬で分かる」そんな確信をユーザーに持ってもらえば良いわけです。
「玉石混合」状態のWEBの中から「玉」を取り出す技術が議論されているわけですが、富裕層 (?)向けには、いっそのこと人間に玉石の選別を行ってもらう--そんな発想が生まれてもおかしくないと思います。
元旅行業として、のコメントですんません。
旅行会社は、廃れいく一方です。特に、添乗員付きツアーは、総売上・総粗利共に急落傾向です。よって、無理矢理作った(ように見える)のですが、実は20年くらい前から行われています。公募するかどうかは別にして、ですが。
その時の添乗歴が、たかだか2,000日では困りますよね。
僕の最高添乗日数(1年当たり)が、297日です。僕ごときでこれくらいですから、専任なら250日以上は当然、300日くらいでしょうね。
そう考えると、7年程度を「ベテラン添乗員」と呼ぶのかどうか。これは、ユーザーに任せます。
で、ネットに戻りますが、同じように「誰に連れて行って貰うか」が重要なように思います。
ネット達人なのか、ネットにスレた人、なのか。。。
少なくとも、僕は「後者」は願い下げ、ですね。
投稿情報: kumaboo | 2006/03/09 00:06
おぉ、1年で297日添乗とはすごいですね。僕は他人のお世話の前に自分の世話もできないので、ツアコンには絶対なれません(笑)
確かに年間で300日程度添乗しているとすると、2,000日なら7年ぐらいで達成できる計算になりますね。「スーパーTC」は利用者の評価を基にジャルパックが独自に認定したそうですが、どうせならネットか何かを通じて完全人気投票にしても面白かったかも。そうしたら、そのうちネットで人気を集めて、独立して企画・添乗するフリーランス・スーパーTCも現れるかもしれませんね。
ネットに戻ると、僕も「ネットにスレた人」はちょっと・・・できれば大学の教授とか、ベテラン記者などの方々に案内して欲しいです。
投稿情報: アキヒト | 2006/03/09 11:52