既に TechCrunch などでも紹介されていますが、information aesthetics 経由で知りました。オンラインショッピングサイトは様々な工夫をするものが登場していますが、まるで Google Maps を操作するかのように商品が探せるサイト、とのこと:
これは説明するより、触ってもらえば一目瞭然でしょう。最初はこんな風に、まるで大陸のように大カテゴリが表示されているのが:
「地図」を拡大(クリックもしくは画面左側の縮尺スライダーで)していくと、どんどん小カテゴリが表示されて、最終的に個別の商品にたどり着くというもの:
この画面まで来ると、Amazon.com 経由で商品が買えるようになっています。また一応、ディレクトリ機能・検索機能も付いています。
このアイデア、確かに視覚的に分かりやすいし、デパートでフロアマップを見て売場に行く感覚に近いですよね。TechCrunch や information aesthetics では"Visual Shopping"という新しい言葉が使われていますが、本来ショッピングは目で選びながらするものですから、こうした工夫のあるサイトの方が現実に近いのかも。両記事で引用されている Like.com についても、「あれと同じような○○が買いたい!」というごく普通の欲求を可能にしたものですし(それをWEB上で実現するのが大変なわけですが)。
ただし BrowseGoods では、オンラインショッピングの長所である「自由に商品の並び替えができる」という点が実現されていません。例えば上の画像では成人男性用の"Backpacking Boots"というカテゴリが表示されていますが、「家族で出かけるのに子供にも同じものを買おう」とすると、別の「大陸」に移動しなければなりません(最上位のカテゴリが「成人男性」「成人女性」「子供」であるため)。また「同じブランドで別のデザインが見たい」という場合も、いちど縮尺を上げなければなりません(最下位のカテゴリが「ブランド」であるため)。言うなれば、リアル店舗のように棚割りが固定されてしまっているわけです。
ただそれも、逆に利点となり得るのかも。例えばオンラインショッピングに慣れていないような人々には、リアル店舗と同じ環境をしておくことで、違和感なくショッピングに参加してもらえるでしょう。それこそ「フロアマップの中に入っていくような感覚で買い物する」ということになると思いますが、例えば実際に「実際の店舗の写真を使ってバーチャル環境を表示する」というネットスーパーがあります(ネットスーパーオークワの事例)。こうやって「現実世界で行っている直感的な行動」を可能にしてしまうのがビジュアル・ショッピングだと割り切ってしまえば、デジタルの利点を捨ててしまっても良いのかもしれません。
またこれは「不便だ」と感じさせるリスクもありますが、逆に「別の場所に移動する」というステップを作り、その間に別の商品を見てもらうという効果を狙えるかもしれません。経験ありませんか?さて○○売場に行こうとしているときに、道すがらにあった別のコーナー/テナントに目を奪われて、そこで買い物してしまうという……僕は奥さんと買い物に行くとその傾向が(略)とにかく、利便性一辺倒では「欲しいものを買った。以上。」なってしまいますが、ビジュアル性と「不」利便性を工夫することで、オンライン上でも衝動買いを実現できるでしょう。
いずれにしても、ブロードバンドの一般化でビジュアルに凝ることが許されるようになりました。オンラインショッピング初心者に対応するという点からも、ますます「ビジュアル・ショッピング」の工夫が進むのかも。
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