試供品というのはマーケティング、というより「販売促進」の分野で古くから使われてきた手法ですが、最近では様々な進化型が登場していますよね。自動販売(?)機を使って配布したり、不特定多数にバラ撒くのではなくインフルエンサーに限定して配布するようにしたり、無料が当たり前の試食を有料化したり。さらに海外では、こんな形態も登場しているそうです:
■ Nationwide tryvertising parties (Springwise.com)
紹介されているのは"House Party"というサイト。サンプルや試供品を試してもらうパーティー(House Party)を開くためのサービス、と書くとなんのこっちゃという感じですが、こんな流れになります:
- サンプルや試供品を配って反応を見たい/クチコミを起こしたい企業が"House Party"に登録する。
- "House Party"の主催者になりたい人は、サイトに登録し、自分にあったパーティーを探す。
- 好みのパーティーが見つかったら、サイト上で応募する。「主催者」となった人は、当然ながら配布されるサンプル/試供品を入手できるほか、パーティー開催に必要なツールを与えられる。
- 各々のパーティーには専用ホームページが与えられ、SNSのコミュニティ的な感覚でユーザー管理/ブログ投稿/画像・動画共有が可能。
- 1種類の"House Party"は、同じ日に1,000ヵ所以上で開催される(主催者は他の主催者とサイトを通じてコミュニケーションできる)。従って広範囲に及ぶ反応を引き出すことが可能。
という感じ。要は商品体験会を個人レベルで(しかも広範囲に)開催させてしまおう、というアイデアなのですね。全国で体験会を開催するような時間や余力のない企業には、大きな助けになるサービスかもしれません。
従来の試供品マーケティングでは、一般人はあくまでも参加者の側にいました。しかし"House Party"では、主催者としても関わることになります。その意味で新たな可能性(パーティーから「企業」の姿が無くなるので、より積極的にクチコミが広がる?)と、新たな問題(意図的かどうかを問わず、「企業がスポンサーとなっている」ということが明らかにならないままパーティーが開かれる?)が生まれることになるのでしょう。どんな結末になるかは分かりませんが、これからも様々な進化型が生まれるのでしょうね。
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