「悪事千里を走る」と言いまして、昔から悪いウワサは広まりやすいものと知られていましたが、科学的にもそれが証明されたそうです:
■ Negativity Is Contagious, Study Finds (ScienceDaily)
Indiana University の研究者たちが行った調査について。まず被験者に新製品の情報を見せ、他人の意見を聞かずに自分の評価を行ってもらいます。次に他の被験者たちがどんな評価を下したのかを明らかにし、最初の評価からどんな変化が現れるかを確認したところ、悪い評価の方が他人に及ぼす影響力が強いという結果が出たとのこと。怖いのは、「いいな」と思っていた人が「ダメかも」と思うようになるだけでなく、「ダメかも」と思っていた人は「最悪!」と感じるようになる――つまりネガティブな意見は、他人のネガティブな気持ちを強化する力もあったとのこと。
この結果を受けて、研究者たちは「オンライン上(ブログやSNS、BBS など)で表明されるネガティブな意見にもっと注意し、対策を講じるようにすべき」と呼びかけています。個人的には「ポジティブな意見しか見当たらない商品/サービス」というのもヤバいかもと感じるのですが(参考エントリ)、悪い評価を強化する効果もあるのなら、「悪評」のリスクはもっと深刻に捉えられるべきかもしれません。
最近"Social Intelligence"という本を買って読んでいるのですが、内容は「人間の感情は他人の感情に影響を受けやすい」ということを科学的に証明するというもの。具体的にどんな実験が紹介されているの?という話は別の機会に譲るとして、読んでいると想像以上に「感情が感染する」という現象が強力なものだということが分かります。考えてみれば、人間は複雑な言葉を話すようになる前から集団生活を営んでいたわけで、ロジックよりも感情の方が受信しやすいようにできているのかもしれないですね。
とりあえず、何かを進めようという場合には、他人のネガティブな態度というものにこれまで以上の注意を払うべきかもしれません。またポジティブな態度でいたいという時には、何かとネガティブな意見しか言わない人には近付かない、というのが得策かも……。誰かにうつされて、自分が新たな「ネガティブの感染源」になるかもしれないですしね。
こんばんは☆ごぶさたしています。
「やっぱり!」と思いますね、調査結果。若干負の方向にバイアスが働いているのかな、なんていう想像もしてしまいますが、大きくは間違っていないと思います。
面白い記事だったので、トラックバックします。
投稿情報: moka | 2007/10/07 20:38
moka さん、ごぶさたしております!コメントありがとうございます。
バイアスがかかっている可能性もありますが、なんとなく実感できる結果ですよね。個人的にも、「これはいいよ」っていう意見よりも、「これはダメだよ」という意見の方に影響されてしまうように感じます。「これいいよ」って10回言われないと買わないけど、「これダメだよ」って1回言われただけで買うのをやめてしまう……そんな感じでしょうか。
投稿情報: アキヒト | 2007/10/08 15:29