昨日も触れましたが、Amazon.com の電子ブックリーダー「Kindle」が発表になりました。公式会見も行われ、様々な記事が出ているのですが、Boing Boing に細かいポイントを集めた記事がありました:
■ 15 Things I Just Learned About the Amazn Kindle (Boing Boing Gadgets)
細かいけれど重要な15個のポイント+ボーナス1個。どんなものかというと:
- DRM付きファイル(Kindle 独自の「.AZW」という形式だそうですが、詳細は不明です。ごめんなさい)に対応。また Mobipocket のファイル形式(.MOBI, .PRC)にも対応。その他に対応しているのは、.TXT、HTML、WORDの各ファイル。
- WEBブラウザを内蔵しているが、"Experimental"(実験版)というバナーが付いている。
- Amazon.com 以外のWEBサイトからのダウンロードも可能(記事では Cory Doctorow's craphound.com というサイトから、"Printcrime"という小説をダウンロードしてみたとのこと)。
- Audible のオーディオブックの再生も可能だが、"Whispernet"(Kindle が提供する EV-DO 形式のワイヤレス接続)経由ではダウンロードできなかった。USB経由で Kindle にコピーするという形ならOK。
- MP3の再生も可能。ただしランダム再生のみ。また電子ブックを読みながらの再生もできる。
- 検索システム"Kindle NowNow"が無料で利用可能。これは Amazon の Mechanical Turk を利用した人力検索システム、とのこと。
- ブログの購読は月2ドルで、14日間の無料お試し期間つき。ただし内蔵WEBブラウザから普通にブログの閲覧が可能。つまり課金されているのはWEBの閲覧ではなく、RSSフィードの受信。
- Mobipocket の DRM 付きファイルは Kindle 上では動作しない。
- PDF ファイルはサポートされていない。コンバージョンも不可能。
- GIF と JPEG には対応。
- 2つのフォント(Caecilia と Neue Helvetica)しかサポートされていない。フォントサイズは6種類を選択可能。
- メール経由で Kindle にファイルを送ると、1ファイルあたり10セントが課金される(Kindle に対応する形式にファイルをコンバージョンする費用、とのこと)。ただしユーザー名+@free.kindle.com というアドレスにファイルを送ると、Kindle に転送できる形式にファイルをコンバージョンして送り返してくれる(無料)ので、返されたファイルを Kindle に USB 経由で転送すれば料金はかからない。
- なぜ Kindle があんな形なのか(※ネット上では「あの端末はカッコ悪いよね」という意見がけっこう聞かれます)、持ってみれば納得する。ただし色は良くない。白だと汚れるし。
- メールによるコンバージョン(No.12参照)は即時には行われない。5分待っても何の音沙汰もないことも。
- 画面をスクロールするには、「前ページ」「次ページ」キーを使わなければならない。
- .DOC、.TXT、.RTF、.PDF、.GIF、.JPEG、.PDB の各ファイルをUSB経由で直接 Kindle に転送したところ、閲覧画面には .TXT ファイルしか表示されなかった。また.DOC ファイルをワイヤレスで(メールかどうかは不明)送ったところ、.AZW ファイルに変換されていた。つまり Kindle が(直接)対応しているテキストファイルの形式は、.AZW と .TXT のみということになる。
とのこと。うーん、直接触っていないから何とも言えませんが、ちょっと雲行きが怪しいかも。
【その1】 どうも自分のファイルを Kindle で読むというのは難しそう。
Amazon.com で Kindle 用電子ブックを購入して読む、というのであれば当然問題はないのでしょうが、「自分のPC上にあるテキストファイルやPDFを読みたいと」いうのは普通に出てくるニーズでしょう。それが「PDFではそもそもダメ」「.TXT以外はコンバージョンが必要(しかも有料の場合も)」というのであれば、けっこう敷居が高くなってしまいそうな。
【その2】 ブログに課金、は「RSSに課金」という意味?
Newsweek の記事に「ブログの購読が$1.99もしくは$0.99で可能」という一節があるのを見て、「これはブログの新しい可能性を開くものかも!?」という期待エントリを書いてしまったのですが、単にRSS機能に課金ということですか。いや、まだ「Amazon.com でしか提供されないRSS!(しかもブログ本体はなし!)」なんてものが登場するのかもしれませんが(それって何て Modiphi?)、どうも裏の意図はそんなんじゃなさそうですね。
ということで、この記事を読んで少し期待値が低下してしまった次第でした。いや、まだ始まったばかりですし、どんどん改善されていくとは思いますが。
……しかしNo.6の"Kindle NowNow"ってのが気になりますね。はてなの人力検索みたいなサービスになるのでしょうか?ここだけちょっと期待。
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