PCやネットの中で、データが実際にはどんな動きをしているのか。分かってしまえばイメージしやすいのですが、ITにあまり慣れていない人にとっては理解しづらいものです。そこで「電子的にメッセージをやり取りする仕組み」を手紙になぞらえて「電子メール」と呼ぶ、などといった工夫がされているわけですが、このように別のものに置き換えてイメージするというのは有効なテクニックだったりします。
で、本題。データのやり取りをより直感的にするために、こんな機器を作ってはどうか?というアイデアが紹介されています:
■ Cup of Java Script (Yanko Design)
登場するのは、一見何の変哲もないコーヒーカップ:
そのままコーヒーを入れて飲めそうな勢いですが、情報機器です。基本的に情報を蓄積するために使うのですが、面白いのは情報の受け渡し方。情報をコーヒーに見立て、こんな風に:
一方からもう一方にコーヒー(情報)をそそぐマネをすることで、情報が受け渡されるという仕組み。ご丁寧に、ホログラフでアイコンを表示することまで想定しているそうです(そこまで実現しようとすると、商品化までにしばらく時間がかかってしまいそうですが)。
そしてプロジェクタ的に、データを投影して皆で閲覧する場合はこの通り、カップをひっくり返せば中身がこぼれるように、横に傾けることで画像が映し出されます。
別にそんなことをしなくても、ネット経由でデータを受け渡ししてしまえば一瞬で済むわけですが、これなら「どのボタンを押せばいいの?どこに送ればいいの?」と戸惑うことを少なくできそうです。また「コーヒーを飲む」=「休憩時間」と捉えれば、エンターテイメント系の情報はこのカップ経由でないと受け取れない、という風にしておいても面白いのではないでしょうか。仕事中、「昨日のサッカーの結果を見ながらちょっと一服したいな……」と思った時には、オフィスの決められた場所にあるコーヒーポット(型データ蓄積装置)の所まで行って、データを注いでこなければいけないと。そしてデータを「飲み干して」(すべてのデータを閲覧し終わって)しまったら、休憩を終わりにするか、周囲の目を気にしながらもう1杯取りにいかなければダメ。そんなアクションがあることで、オンとオフの切り替えがより明確になるかもしれません。
ということで、このカップ自体はすぐには実現できそうもありませんが、直感的な操作を可能にするインターフェースを設計する際の参考になるのではないでしょうか。他にも水筒やフライパンなど、情報を「溜める」「加工する」のメタファーから新しいインターフェースを思いつくことができるかもしれませんね。
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