『人は見た目が9割 』なんて本が一時期話題に(問題に?)なりましたが、ウェブサイトも「見た目(デザイン)」の重要性が大きいことは言うまでもありません。しかしユーザーが何か情報を得ようとしている場合には、サイトのデザインよりも、掲載されている情報の方が重要であるという研究結果が発表されたとのこと:
■ Information Is More Important Than Design In Evaluating Companies On The Internet (ScienceDaily)
当然と言えば当然の結果なのですが、やたらデザインにウルサイ上司/お客様がいる場合に活用できるニュースかもしれません。スペインにある University of Valladolid の研究者らが発表したもので、以下のようなテストを実施したとのこと:
- 架空の旅行会社サイトを2つ立ち上げ、一方は純粋に情報を主体にしたサイト、もう一方は心が躍るようなデザインにしたサイトとした。
- 300名の被験者に対し、それぞれのサイトでフライトやレンタカーの予約といった各種作業を実施してもらい、その後どの程度実際にサービスを予約したくなったかを訪ねた。
その結果、情報が充実しているサイトの方が、ブランドイメージの向上が見られたとのこと。一方、デザインに凝った楽しいサイトを見せられても、イメージの向上にはつながらなかったそうです。まぁそりゃそうだ、なのですが、重要なのは「情報を欲しているユーザーに対しては、見かけ上の華々しさや奇抜な機能が『望まれている情報』を補完するものにはならない」という点でしょうか。簡単に言えば「craigslist 最強!」ってことですね。
最近のウェブサイトは本当に美しく、楽しくなりました。ユーザビリティという概念も定着し、使いやすさという面でも次第に改善されてきているように感じます(ネットを使い倒している方々から見れば、依然として「遅れている」サイトが山のようにあると思いますが)。その一方で、ユーザーが本当に「欲しい」と考えている情報を提供しているか?という点まで配慮している企業は、まだまだ少ないのではないでしょうか。それを計測するのは難しいことですし、「見た目」という(上層部のオジサン達にも)分かりやすいポイントで改善を見せておこうという気持ちも分かるのですが……いわゆるWEB2.0の時代になって登場した華々しいテクニックが、最も基本だけれど最も難しい「コンテンツの充実」という点から目を逸らしてしまっている恐れはないのかなぁ、と余計な心配をしてみた次第です。もちろん自戒込み、で。
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