おいおい、お前のブログにも広告出てるじゃねーかよ、とかいうツッコミはご容赦いただくとして。いまはてな界隈で話題のこの広告について:
■ Cam with me(カム ウィズ ミー)|デジタルビデオカメラ Handycam “ハンディカム” | ソニー
実際に体験していただくのが速いのですが、簡単に説明しておくと、小さな女の子(自分の娘)が成人して結婚する+その過程をビデオに収めるという経験を疑似体験することができるというもの。で、最後に自分が撮ったビデオが再生され、「ほら、何気ない日常が思い出になるでしょ?」というメッセージが訴えかけられるという仕組みです。
「感動した!」「涙が出た!」と大絶賛の嵐ですが、個人的にはあまりリアリティーが感じられませんでした。実際に小さい娘がいるせいか、現実とのギャップの方が気になってしまって。あと重箱のすみを突くような話かもしれませんが、最後の「あなたが残せなかった思い出」という表現も何だか。録画できなきゃ思い出にならないよ、と言われているようで何か釈然としません。そもそも「何気ない日常が思い出にかわる」というメッセージも、子供が生まれた瞬間から自覚しているので、改めて言われなくても……という感じです。
念のためうちの奥さんにも観てもらったところ、
育成シミュレーションゲームみたい。それから何で男の子編はないの?
との反応でした。うーん、シミュレーションゲームという表現はある意味当たっているかも。
断っておくと、この広告に感動された方を非難しようとか、バカにしようとかいう意図は一切ありません。僕自身、独身か新婚時代に観てたら、その瞬間にハンディカムを購入してたかも。しかし実際に子育てをしていて、デジカメやビデオカメラで日々成長を記録している状況で観ると、イマイチ心には響かなかったわけです。
他の方々のコメントを見ても、実際に子育てをされている方や、女性には響いていない傾向があるように感じられます(「感動した!」という言葉の枕詞として、「僕には子供いないけど」というセリフが付くことが多いような……あくまでも僕の観測範囲内ですのでご容赦を)。で、響いているのは「20代~30代の男性で、結婚や子育てを意識しているけど、まだ実際に体験はしていない」という人々なのではないでしょうか。確かにそういう層であれば、「ビデオカメラの1台でも持ってていいかも」と考える可能性が高そうですし、狙いとして間違ってはいないターゲットだと思います。
そう考えれば、男の子編がない、美化されたストーリー、シミュレーションゲーム的な雰囲気というのも納得がいきます。僕みたいなのが「何だか違うなぁ」とか言うのは計算のうちで、限られた層での大ヒットを狙うためにポイントを増幅しているのかな……などと思ったり。いずれにしても、バズを引き起こすのに成功している、しかも宣伝している製品を買ってくれそうな人々の間にという点で優れた広告なのでしょうね。
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