「何かを買うときは、ウェブサイト上のユーザーレビューを参考にする」というのが一般的な態度になりつつあることは、様々な調査で明らかになっています。従って、「好意的なレビューをでっち上げてしまえ」などという良からぬことを考えるメーカーが出て来てもおかしくない(残念ながら既に出て来ている)わけですが、それをクラウドソーシングでやってしまえと考えた企業が出てしまったかもしれないというニュース:
■ Exclusive: Belkin’s Development Rep is Hiring People to Write Fake Positive Amazon Reviews (The Daily Background)
お馴染み、Amazon の"Mechanical Turk"(ネットを介して世界中のユーザーに様々なタスクを依頼できるプラットフォーム)を使って堂々と?行われた詐欺事件について。問題になっているのは Belkin というコンピュータ周辺機器メーカーなのですが、"Mechanical Turk"のユーザーに対し、自社製品に好意的なレビューを(よりによって Amazon.com 上に!)書いてくれと依頼したとのこと。またネガティブな評価に対しては、「参考にならなかった」という投票を行い、消費者が参考にしないような工作も行っていたようです。まあ確かにこの辺のレビューを見ると、「買うなよ!絶対買うなよ!」というコメントばかりで、何とかしたくなる気持ちも分かりますが……。
この告発記事にメジャーなブログ/テクノロジー系ネットメディアが飛びつき、騒動になっているのですが、Crunch Gear に対して Belkin 側からは反応があったようです:
■ Belkin replies to Mechanical Turk shilling (Crunch Gear)
どうやら「企業として感知していなかった、何らかの措置を取る」という回答のようですね。もしかしたら本当に社員一人が独断で行ったものかもしれませんし、またバレて当然のような行動を取っていたことを考えると、ライバル企業が Belkin の評判を落とそうとして画策したことかもしれません(この作業を依頼した Belkin 社員は実在するようですが、ライバル社員が偽装しているだけかもしれないし)。いずれにしても、もう少し詳しい調査が待たれるところです。
ただ Amazon にとってみれば、よりによって自社サービスが自社サービスの信頼性を落とすことに使われてしまったわけで。少なくとも同じような試みが行われても排除できるような仕組みを、早急に開発する必要に迫られるかもしれません。
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