久しぶりのAR(拡張現実)ネタをひとつ。
もはや「セカイカメラのような……」という事例を引き合いに出さなくても、話が通じるようになりつつあるAR。しかしセカイカメラ型のアプリケーションはまだまだ世に出たばかりで、都市部を除けば多くのユーザーが存在しているとは言えません。従ってエアタグ的なデータ(ある場所に紐付けられ、ARアプリケーションを通して可視化されるデータ)はこれから増えていくことになるわけですが、それを一気に増やす仕掛けとして、Flickr が活用されるかもしれないとのこと:
■ Augmented Reality Coming To Flickr? (GoRumors)
Flickr の親会社である Yahoo! が提出した特許について。まだ現実になってはいないのですが、簡単にまとめてしまうと、以下のような仕組みになるようです:
- ユーザーが位置情報の埋め込まれた写真を Flickr にアップロードする(これは既に数多くのユーザーによって行われていることですね)。
- アップロードされた写真に対し、様々な情報が付与される。
- アップロードされた写真の位置情報を活用し、その写真に付与された情報を、アプリケーションを通じてAR的に見えるようにする。
極論をすれば、Flickr にアップロードされている写真に紐付いている情報を、セカイカメラで見ることを可能にするわけですね。もちろん当初はそんなデータ連係は行われないでしょうが、将来的にはスタンダードが確立され、様々な写真共有サービスや地図情報サービス上にあるデータを、共通のARアプリケーションを通じて確認できるようになるかもしれません。
ただ Flickr のデータを使って実現されるARアプリがデータ公開に踏み切らないようだと、現在の Flickr のデータ量を背景にして、「セカイカメラ的」アプリケーションのデファクト・スタンダードを取っていくという可能性も考えられるでしょう。当然そのような意図のもと、データの囲い込みを図るというシナリオもあり得そうです。いずれにせよ、Flickr のように既に多くのデータ/ユーザーを有しているサービスとARサービスが連携するという話は、今後ちらほらと出てくるかもしれませんね。
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