これはちょっと面白い試みかも。英紙ガーディアンが、自社サイトで「これから掲載予定の記事」を予告するという、2週間限定の実験をスタートさせています:
■ An experiment in opening up the Guardian's news coverage (Guardian)
現在でも特集記事に関する予告や、定期コーナーの「次号予告」を出すということは普通に行われていますが、一般の記事について情報を公開するというのは珍しいのではないでしょうか。実際に上のリンクにアクセスしてみると、以下のような表が掲載されているのが分かると思います:
上は先ほど撮ったスクリーンショットですが、ご覧のようにGoogle Docsが活用されていて、5分間隔で最新の情報がアップデートされるとのこと。情報はセクション(国際ニュースやビジネス等)に分けられていて、それぞれ掲載予定のタイミング/テーマ/担当記者(その記者がTwitterを開設していればそこへのリンクも)が公開されています。例えば10月11日の"AFTERNOON/EVENING"では、米国の抗議活動「オキュパイ・ウォールストリート」を扱った記事が公開予定のようですね。
例えば誘拐事件に関する情報など、守秘義務等の理由でここには掲載できない記事もあるそうですが、なるべく情報を開示して行く予定だそうです。また個々の記事について何か意見のある人は、メールでメッセージを送ることができると同時に、記者のTwitterアカウントに対するメッセージ、またハッシュタグ"#opennews"をつけてのツイートでもOKとのこと。「前回このテーマを扱った時に間違いがあったよ」というようなクレーム、あるいは「このテーマを追ってるならこの情報もチェックした方が良いよ!」というようなアドバイスができるというわけですね。
しかし事前にネタをバラしてしまうことで、ライバル紙に出し抜かれるということはないのでしょうか。この点について、Mashableで面白いコメントが紹介されています:
■ Guardian to Readers: Here’s Our Upcoming Story List (Mashable)
When asked if he is concerned about opening up access to competing papers, Roberts says the potential advantages far outweighed any edge the paper would be giving competitors. “We’re [already] getting a lot of help from Twitter,” he says. “Some of our best sources are [readers] who see what we’re doing and help us along.”
ライバル紙に対しても情報開示することに懸念は無いのかと尋ねると、ロバーツ氏(※Dan Roberts、ガーディアン紙の編集者)は「彼らを利するよりもずっと大きなアドバンテージを得られる可能性がある」と答えた。「私たちはTwitterを通じて、既に多くの支援を得ている。最良の情報源の1つは、私たちが何をしているのかを知っていて、手をさしのべてくれる読者たちなのだ。」
ネタを隠しておくよりも、シェアすることで得られる利益の方が大きいと。賛否両論あるでしょうが、1つの姿勢として面白いですし、今回のような形で実験してみる価値はあるのではないでしょうか。もし何らかの成果が出れば、新聞にも「明日の○○新聞は……」なんて予告が出るのが一般的になるかもしれません。
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